Claude CodeとCodex、どちらを選ぶべき?

編集部の運用判断では、対話しながら要件を詰め、ローカル環境で細かく軌道修正したいならClaude Codeが第一候補です。複数の作業を分離して任せ、差分レビューやクラウド実行まで一つのOpenAI環境で回したいならCodexが第一候補です。 排他的な機能差ではなく、仕事の渡し方による選び方です。両方ともCLI、デスクトップ、クラウド、worktree、権限制御、MCP、Skills、サブエージェントを備え、実際の差はモデル、設定、指示、リポジトリによって変わります。すでにClaudeかChatGPTの対象プランを契約しているなら、まず追加費用のない方から試すのが合理的です。

両方を契約する価値が出るのは、実装とレビューを別のモデルに任せたい人、独立タスクを並列で進めたい人、片方の行き詰まりをもう片方で検証したい人です。1回に1つの小さな修正しかしない人は、まず片方で十分です。Gitやテストを使わず、生成結果を確認できない人には、どちらもまだ第一候補ではありません。

先に選び方をまとめます。

状況 選び方
会話しながら仕様を固めたい Claude Code。途中の相談と方向修正を中心に進めやすい
独立タスクをローカル・クラウドで分けたい Codex。アプリ、CLI、クラウドをまたぐ委任とレビュー導線がまとまる
実装の見落としを減らしたい 両方。一方が実装し、もう一方が独立レビューできる
月に数回、小さな修正だけ行う 片方。契約と運用を増やす効果が小さい
差分やテストを自分で確認できない どちらも急がない。誤変更の検出方法を先に整える

本ガイドは2026年7月26日時点の公式情報と実機結果に基づきます。検索上位の記事を調べると、機能表や体感的な得意分野の比較は多い一方、同じ初期状態で計画・実装・レビューを測り、失敗や測定限界まで公開した記事は限られていました。そこで、仕様の確認と小さな統制実験を分けて検証しました。

Claude CodeとCodexの主要な違い

最も大きな違いは「どちらが賢いか」ではなく、人が介入する場所と、仕事を預ける単位です。

比較軸 違い
基本の使い方 Claude Code: CLIやDesktopで会話を続ける。Codex: CLI、アプリ、クラウドへタスク単位で委任する
公式デスクトップ Claude Code: Claude Desktop内のCode。macOS・Windows、Linux beta。Codex: ChatGPTデスクトップ内のCodex。macOS・Windows
クラウド Claude Code: Claude Code on the Web。Codex: Codex cloud
モバイル・遠隔 Claude Code: ClaudeアプリのCode、Remote Control、Dispatch。Codex: iOS・AndroidのRemoteでデスクトップへ接続、またはクラウドタスクを操作
作業分離 Claude Code: --worktreeとDesktopの自動worktree。Codex: アプリのworktreeとクラウドの隔離環境
レビュー Claude Code: Desktopの差分表示、CLI、GitHub連携。Codex: /review、アプリのdiff、GitHub code review

Claude Codeの公式プラットフォーム一覧Codexの公式概要を見ると、2026年7月には両者の対応範囲はかなり重なっています。「Claude CodeはCLI、Codexはクラウド」という古い分け方だけでは選べません。

対応OSと実行場所

利用経路 対応の考え方
CLI 両者ともmacOS、Linux、Windowsで利用できる。WindowsはnativeとWSLでsandboxやコマンド環境が異なる
公式デスクトップ どちらもmacOS・Windows。Claude DesktopはUbuntu 22.04・Debian 12以降のLinux版をbeta提供
Web・クラウド 対応ブラウザーから利用し、ローカルPCを閉じて実行できる経路がある
モバイル ClaudeはiOS・AndroidのClaudeアプリにCode経路、CodexはiOS・AndroidのRemoteで実行中のChatGPTデスクトップへ接続できる

CLIのインストール方法とsandboxの実装はOSごとに異なります。チーム導入では「製品が対応するか」だけでなく、native shell、WSL、コンテナのどこでテストを再現するかをそろえてください。

Claude Codeの強みは、対話を保ったまま広げられること

Claude Codeは、ターミナルから始めても、Claude DesktopWebRemote Controlへ作業をつなげられます。Desktopでは差分、ターミナル、ファイル、プレビューを並べ、ローカル、クラウド、SSH、WSLのセッションを扱えます。

小さな専門作業はSubagents、Claude同士で共有タスクリストを使う協調は実験的なAgent Teamsです。後者はトークン消費と調整コストが増えるため、同じファイルを触る短い仕事には向きません。

Claude DesktopのScheduled tasksは、ローカル実行ではアプリ起動と端末の起床が必要です。remote routineはクラウドで実行されます。DispatchはPro・Max向けで、Team・Enterpriseでは利用できません。

Codexの強みは、委任・分離・レビューを行き来できること

CodexはCLIChatGPTデスクトップアプリクラウドを使い分けます。ローカルで対話するだけでなく、隔離されたクラウド環境へバックグラウンドタスクを預け、戻ってきた差分をレビューできます。

アプリはタスクごとのworktreeを作成でき、Codex code reviewはGitHub上でも使えます。Subagentsは役割とモデルを分けて並列に調査でき、Automationsでは定期タスクを設定できます。

Codex Remoteを使うと、iOS・Androidから実行中のMac・Windows上のChatGPTデスクトップへ接続し、ローカルのCodexチャットを開始・継続し、承認、diff、テスト結果を確認できます。CLIをRemoteのホストにはできず、段階的なrolloutとworkspace管理設定にも左右されます。APIキー認証ではCLI、SDK、IDEは使えますが、GitHub code reviewなどのクラウド機能は使えません。

モデル名だけで製品を決めない

Claude CodeもCodexも、利用できるモデルと推論設定が変わります。今回の実機ではClaude CodeがClaude Fable 5、CodexがGPT-5.6 Sol・high reasoningでした。Codexの現行モデルは公式モデル一覧、Claudeの現行モデルと別名はAnthropicのモデル概要で確認できます。

モデルの更新はUI機能より速く、同じ製品でも選択モデルで結果と所要時間が変わります。比較するときは「Claude Code対Codex」だけでなく、モデル、推論量、権限、実行場所を一緒に記録してください。

料金と利用条件を比較

両者とも個人向けサブスクリプションから利用できます。ClaudeはClaudeアプリとClaude Codeで利用量を共有します。OpenAIはCodex、ChatGPT Work、Excel、Workspace Agentsなどのagentic usage poolを共有します。上限はモデル、タスクの大きさ、混雑状況で変わるため、「月額だけで無制限」とは考えない方が安全です。

製品 料金と追加利用
Claude Code Claude Proは月20ドル、年払い換算は月17ドル。Maxは月100ドル・200ドル。有料プランはusage creditsを追加でき、Console APIやクラウド事業者による従量利用も別に選べる
Codex Freeは0ドル、Goは月8ドルで軽い課題を試せる。Plusは月20ドル、Proは月100ドルから。上限後はChatGPT creditsを追加できる。APIキーは別認証・別課金

価格はClaude公式料金OpenAI公式料金・Codex creditsの2026年7月26日時点です。Codex creditsは2026年4月2日からトークン基準へ変わっています。ChatGPT creditsでプラン内上限を延長することと、APIキーで従量利用することは別です。Team、Business、Enterpriseでは管理機能、データの扱い、最低席数、請求周期が変わります。

片方で十分か判断する簡単な基準は、1週間の仕事を片方だけで記録することです。上限に頻繁に当たる、レビュー待ちが詰まる、異なるモデルで再確認したい仕事が毎週ある、のどれかが起きてから2つ目を追加すれば、過剰契約を避けられます。

同じMac・同じ初期状態で実機比較

公開ベンチマークの点数では、実際のリポジトリで必要になる権限確認、既存ルールの読み取り、テスト実行、差分の妥当性までは分かりません。そこで、小さなTypeScript製ジョブサービスを作り、同一または意味が等価な指示で3種類を試しました。

比較条件

項目 条件
検証日時・端末 2026年7月26日、同じMac、macOS 26.4
ランタイム Node.js 24.14.0
Claude Code CLI 2.1.220、Claude Fable 5
Codex CLI 0.145.0、GPT-5.6 Sol、high reasoning
初期状態 同じGitコミットから複製した別ディレクトリ
指示 同一の目的、受け入れ条件、変更禁止範囲
権限 書き込み範囲はリポジトリ内。ユーザー設定と外部MCPを無効化
評価 所要時間、介入回数、変更、公開テスト、隠しテスト、レビュー指摘

検証用サービスは、テナントごとのバックグラウンドジョブを作成・取得・実行する最小構成です。課題は「待機中ジョブのキャンセル」を、楽観的ロック、キュー順序、監査イベントを壊さず追加することでした。

同じ許可範囲を意図しましたが、両製品の承認機構を完全には同一化できませんでした。実装時、Claude Codeはnpm testの実行を許可されず、Codexは実行できました。この差が所要時間と最終報告に混ざるため、時間は速度の優劣ではなく、今回の経過記録として扱います。

所要時間は1回の実行値です。ネットワーク、キャッシュ、モデル負荷の影響を受けるため、数秒の差を製品の恒常的な速度差として扱いません。Claude Codeの計画モードが停止した最初の試行と、隔離が不十分だった最初の相互レビューも結果から除外しました。

テスト1:リポジトリを調査して実装計画を作る

書き込みを禁止し、既存構造、変更候補、失敗時の整合性、テスト計画を求めました。

製品 1回の結果
Claude Code 2分40秒、介入0回。 現在のファイルに即してCAS、outbox、テスト観点を特定。一方、インメモリ実装の部分失敗を許容する案が残った
Codex 7分27秒、介入0回。 DBトランザクションとrollback、既存のTypeScript設定不備まで特定。入力137,182 tokensで小規模課題には重い

この1回では、Claude Codeは短く実装へ移れる計画、Codexは失敗時の一貫性まで掘る計画になりました。ただし、計画の長さは品質そのものではありません。小さな修正なら短い計画が有利で、移行や決済のような不可逆処理では、遅くてもrollbackを具体化する方が安全です。

テスト2:複数ファイルへ機能を実装する

両者に、サービス、API、エラー定義、テストを変更して受け入れ条件を満たすよう依頼しました。

製品 1回の結果
Claude Code 2分18秒、介入0回。 5ファイル、+158 / -4。公開テスト6/6、隠しテスト3/3、型検査に成功
Codex 2分42秒、介入0回。 5ファイル、+251 / -4。公開テスト7/7、隠しテスト3/3、型検査に成功

Claude Codeはテスト実行権限が与えられず、実行できなかったことを最終報告で明記しました。変更を外部から検証すると、公開6件、隠し3件、型検査はすべて成功しました。Codexは許可範囲内でテストを実行し、公開7件、隠し3件、型検査が成功しました。

Claude Code 2.1.220の成果物を外部検証し、6件の公開テストが成功した実機ターミナル

Codex CLI 0.145.0の成果物を外部再検証し、7件の公開テストが成功した実機ターミナル

両者とも正解ですが、Claude Codeは小さな差分、Codexは異常系を分けた厚いテストになりました。これは1課題の結果であり、「常にClaude Codeは簡潔」「常にCodexは堅牢」という一般則ではありません。

テスト3:意図的に入れた5つの不具合をレビューする

正解を知る評価者が、別の差分へ次の5つを仕込みました。

  1. 他テナントのジョブをキャンセルできる
  2. 呼び出し側のexpectedVersionを無視する
  3. IDがないとキュー末尾を削除する
  4. キャンセル成功時に誤ってfailed監査イベントを記録する
  5. 文字列や真偽値をバージョン番号として受け入れる
製品 1回の結果
Claude Code 1分15秒、5/5検出。 追加で実在するが今回の差分外の問題を1件指摘
Codex 1分48秒、5/5検出。 追加指摘なし

追加で、同じ不具合を含むコミットを2つのクリーンな検証リポジトリへ複製し、各製品のTUIを実際に操作しました。書き込みと外部アクセスは禁止し、Claude CodeはBash(git *)、Read、Glob、Grepだけ、Codexはread-only sandboxとapproval neverに限定しています。

次の4枚はPTYへ記録した実在のTUIを、記事で読めるよう58列へreflowして必要部分だけをcropしたものです。表示文字は書き換えていません。Claude Codeは許可したgit showの後に2ファイルを読み、影響まで詳しく説明しました。

Claude Code 2.1.220とClaude Fable 5がクリーンな検証リポジトリでgit差分と2ファイルを読み取る実在TUI

Claude Codeがクロステナントのキャンセルを最重要の不具合として報告した実在TUI

CodexはGPT-5.6 Sol、high reasoningでgit showを実行し、job-service.tsjob-store.tshttp.tsを探索してから、同じテナント境界の問題を短く返しました。

Codex CLI 0.145.0がクリーンな検証リポジトリでgit差分を読み取る実在TUI

Codexがクロステナントのキャンセルを重大な問題として報告した実在TUI

どちらも意図的に入れた5件を見つけました。レビューに関しては、この1回から優劣を決められません。むしろ実務上重要なのは、実装した本人と別の文脈・別のモデルにレビューさせることです。

相互レビューも、Git remoteや兄弟ディレクトリを見られない隔離コピーで行いました。CodexはClaude Codeの実装に回帰を見つけず、Claude CodeはCodexの実装に重大な回帰を見つけませんでした。Claude Codeが挙げた3点は、元からあるpayloadの型やHTTP 405など、今回の変更範囲外でした。

実測から分かった仕事別の使い分け

編集部の判断として、次の分け方が再現しやすいです。公式仕様ではなく、今回の結果と日常利用から導いた運用上の推奨です。

Claude Codeを第一候補にする仕事

  • 要件が曖昧で、会話しながら仕様を絞る
  • 既存コードを読みつつ、小さな差分で修正する
  • ターミナルの流れを保ち、途中で頻繁に指示を変える
  • Claude Desktop、Remote Control、Dispatchをすでに使っている

Codexを第一候補にする仕事

  • 完了条件が明確で、独立タスクとして預けられる
  • worktreeやクラウド環境へ分けて複数タスクを進める
  • 差分レビュー、GitHub code review、定期タスクを同じ環境で回す
  • ChatGPTやCodex creditsをすでに運用している

片方で十分な仕事

  • 変更が1〜2ファイルで、テストも短い
  • 同時に進める仕事が1つだけ
  • 同じモデルとルールで統一したいチーム
  • 利用上限やレビュー待ちがボトルネックになっていない

両方とも向かない人

  • Git差分とテスト結果を確認しない
  • 本番データや秘密情報へ最初から広い権限を与える
  • 曖昧な依頼のまま、無人で公開・送信・削除まで任せる
  • 小さな補完だけで十分なのに、エージェント運用を増やしたくない

この場合は、IDEの補完、通常のChatGPTやClaude、静的解析、従来のコードレビューから始める方が管理負担を抑えられます。

Claude CodeとCodexを併用する3つのパターン

公式プラグインでClaude CodeからCodexを呼び出せる

2026年7月現在、OpenAIはClaude Code向けCodex公式プラグインを公開しています。Claude Codeの会話内から、Codexによる読み取り専用レビュー、反対意見を求めるレビュー、バグ調査、作業の引き継ぎを実行できます。

Claude Codeで次の順に入力します。

/plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc
/plugin install codex@openai-codex
/reload-plugins
/codex:setup

最初は、未commitの変更をバックグラウンドでレビューする次の使い方が安全です。

/codex:review --background
/codex:status
/codex:result

プラグインは別のCodexを内蔵するのではなく、このMacにあるCodex CLI、認証、設定を使います。ChatGPTアカウントまたはOpenAI APIキーと、Node.js 18.18以降が必要です。利用量はCodex側に加算されます。

/codex:setup --enable-review-gateを使うと、Claude Codeが終了する前にCodexレビューを挟めます。ただし公式READMEも、長いClaude/Codexループになって利用上限を早く消費する可能性を警告しています。最初から常時有効にせず、出荷前の重要な変更だけに使ってください。

この公式連携は、1つの作業ツリーで実装からレビューへ渡す用途に向きます。独立機能を同時開発する場合は、プラグインだけに頼らずworktreeを分ける方が安全です。

1. 実装とレビューを分ける

最も始めやすく、効果を説明しやすい方法です。

同じworking treeで順番に行うなら、Claude Codeの実装セッションを終了し、未commit差分を残した同じディレクトリで公式プラグインの/codex:reviewまたはCodex CLIを実行します。2つを同時に書き込み可能な状態で動かしません。

別worktreeで隔離レビューするなら、実装を専用branchへcommitしてから、レビュー用worktreeを作ります。

git switch -c review/cancel-job
git add src test
git commit -m "Implement queued job cancellation"
git worktree add ../project-review main
cd ../project-review
codex

Codexには、実装branchと基準branchの差分、受け入れ条件、テスト結果を渡します。PRを使うチームは、この3点をPR本文へ集約すれば同じ流れを再現できます。

  1. Claude Codeへ実装とテストを依頼する
  2. 同じworking treeで逐次レビューするか、commitして別worktree・PRへ渡す
  3. Codexへ要件違反、回帰、セキュリティ、テスト不足を重大度順に求める
  4. 指摘をClaude Codeへ戻し、必要なものだけ修正する
  5. 最後は人が差分とテストを確認する

逆にCodexが実装し、Claude Codeがレビューしても構いません。重要なのは、レビュー側へ実装中の長い会話を渡しすぎず、要件、差分、テスト結果を独立して読ませることです。

2. 調査・計画と実装を分ける

失敗コストの高い変更では、一方にコードを書かせず調査だけを頼みます。

リポジトリを変更せず、次を報告してください。
1. 現在の処理経路
2. 変更候補ファイル
3. 失敗時に壊れる整合性
4. 必要なテスト
5. 未確認事項

計画を人が確認してから、もう一方へ実装を依頼します。今回のテストでは、Claude Codeの簡潔な計画とCodexのrollback観点を組み合わせると、実装前の確認項目が明確になりました。

3. 独立タスクをworktreeで並列化する

同じリポジトリで併用するなら、タスクごとにworktreeとブランチを分けます。

git worktree add ../project-auth -b feature/auth
git worktree add ../project-search -b feature/search

認証をClaude Code、検索をCodexへ渡すように、触るファイルと完了条件を分けます。同じファイルを同時編集すると、worktreeは作業中の上書きを防げても、統合時の競合までは消せません。

複数タスクの状態管理が主目的なら、詳しい選択肢はClaude Codeを並列実行する方法・管理ツール比較で扱っています。本ガイドは、管理ツールの順位ではなくClaude CodeとCodexの役割分担に焦点を当てています。

最短の導入手順

Claude Codeを始める

Claude Code公式セットアップに従ってインストールし、対象リポジトリで起動します。

cd /path/to/project
claude

最初にCLAUDE.mdへ、実行するテスト、変更しない範囲、命名規則を書きます。共通ルールをAGENTS.mdに置くリポジトリでは、CLAUDE.mdから@AGENTS.mdをimportするかsymlinkを使います。破壊的操作や外部送信は毎回確認にし、必要なコマンドだけ許可します。

Codexを始める

Codex CLI公式ドキュメントに従ってインストールし、同じく対象リポジトリで起動します。

cd /path/to/project
codex

AGENTS.mdへ同じルールを書き、/permissionsで権限、/modelでモデルと推論設定を確認します。レビューだけを依頼するときは/reviewも使えます。

最初の比較は15分で終わる課題にする

いきなり本番機能を任せず、次の条件を満たす既知の小課題を選びます。

  • 期待結果を自分で説明できる
  • テストが1コマンドで動く
  • 変更対象が数ファイルに収まる
  • 秘密情報と本番データを使わない

同じ初期commitから2つのworktreeを作り、同じ受け入れ条件を渡します。比較するのは文章の自信ではなく、差分、テスト、介入回数、見落としです。

権限・安全性で見る違い

両者とも、ローカルで動かすだけで自動的に安全になるわけではありません。シェル、ファイル、ネットワーク、MCPサーバーを通じて外部へ影響できます。

Claude CodeはPermissionsでRead、Edit、WebFetch、MCPなどを含むツールごとのallow、ask、denyを設定します。SandboxingのOS制約は主にBashと子プロセスへ適用されます。Codexもapprovalsとsecurityおよびsandboxingで、書き込み範囲と承認条件を分けます。

「ローカル実行」は、コードが端末の外へ一切出ないという意味ではありません。モデル推論に必要なプロンプト、選択されたコード、ツール結果は各社のサービスへ送られます。Claude Codeのdata usageでは、consumer契約はdata improvement設定、commercial契約は原則として学習不使用など、契約ごとの扱いが説明されています。

Codexは契約で扱いが異なります。OpenAI公式ヘルプ「Using Codex with your ChatGPT plan」と「How your data is used to improve model performance」の2026年7月26日時点の説明では、Plus・Proなど個人向けサービスの会話はData Controlsで学習を無効にしない限りモデル改善へ使われる場合があります。Business・Enterprise・EduとAPIは原則として学習不使用です。さらに、full-environment Codexの学習許可には通常のChatGPT設定とは別の管理項目があります。APIの保持と学習利用も別条件です。機密リポジトリでは、契約だけでなくChatGPTとCodex Settingsの両方を確認してください。

二社を併用するとデータ境界も増えます。公式codex-plugin-ccのレビューやrescueは対象コードをOpenAI側へ渡し、/codex:transferはClaude Codeのセッション履歴をCodex importerへ渡します。二社への送信を許可できないコードや会話では、この連携を使わないでください。

安全な初期設定は共通です。

  1. リポジトリ外の書き込みを許可しない
  2. ネットワークは必要なドメインだけにする
  3. .env、鍵、顧客データを文脈へ入れない
  4. push、deploy、送信、削除は人の承認を必須にする
  5. MCPとSkillsは出所と指示内容を確認してから追加する
  6. 生成したテストだけでなく、既存テストと隠れた境界条件を確認する

Claude Code SkillsCodex Skills、両者のMCP連携は作業を標準化できます。一方、外部ツールの説明文や取得コンテンツも指示として作用しうるため、信頼できないMCPへ広い権限を渡さないでください。

併用で詰まりやすいポイント

設定差を製品差と誤認する

片方だけ高い推論設定、広い権限、追加MCPを使えば公平な比較になりません。モデル、推論、権限、ネットワーク、ルールファイルを記録します。

2つのエージェントへ同じ作業ツリーを書かせる

同時編集は変更の消失や、テスト中の状態変化を招きます。比較は同じcommitから分け、併用は担当ファイルを分けます。

長い出力を高品質だと判断する

計画やレビューが長いほど正しいとは限りません。要件に対する差分、再現できる根拠、テストの失敗を重視します。

片方の失敗をそのまま学習させる

レビュー側へ実装者の結論まで渡すと、同じ思い込みを引き継ぎます。まず独立レビューを取り、後から突き合わせます。

利用上限と人間のレビュー時間を無視する

並列数を増やすと、トークン消費と確認待ちも増えます。2件から始め、完成物を人が処理できる数を上限にします。

複数タスクを同じ画面で監督するなら

Claude CodeとCodexを1件ずつ使うだけなら、2つの公式アプリやターミナルで十分です。タスクが増え、どちらが実行中・確認待ち・完了かを巡回する時間が増えたときは、横断管理ツールが候補になります。

AGIラボが開発するAGI Cockpitは、Claude CodeとCodexのタスク、差分、プレビュー、確認待ちを同じボードへ集めます。中心機能は基本無料・アカウント登録不要で、Windows、macOS Apple Silicon、Linuxに対応します。Claude CodeとCodexの契約・利用料金は別途必要です。

下の2枚は、同じCockpit画面の左側にあるタスク一覧と、右側にある選択中タスクの結果を、スマホでも読めるよう個別に切り出したものです。

AGI Cockpitの同じタスク一覧に、CodexとClaude Codeの検証タスクが並んでいる実画面

AGI Cockpitで選択したCodexタスクが、Codex CLI 0.145.0とテスト成功7件を報告した実画面

今回も同じ検証用リポジトリからClaude CodeとCodexのタスクを作り、結果を一画面で確認しました。便利なのはモデルの性能を上げることではなく、複数タスクの所在と、人が判断する瞬間をまとめることです。

一方、1つのエージェントしか使わない人、ターミナルだけで困っていない人、Apple Silicon以外のMacを使う人には過剰または非対応です。定期実行やリモート機能など一部はAGIラボ会員向けです。必要になった時点でClaude CodeとCodexを1画面で併用するAGI Cockpitを確認してください。

結論:製品名ではなく、仕事の渡し方で選ぶ

Claude CodeとCodexの比較で、すべての仕事に通用する勝者は決められません。今回の同一課題・同一初期状態のテストでは、両者とも実装と隠しテストに成功し、5つの不具合を5つとも見つけました。違いが出たのは、計画の深さ、差分の大きさ、テストの厚さ、権限がないときの進め方です。

対話と小さな軌道修正を中心にするならClaude Code、明確なタスクの委任・分離・レビューを中心にするならCodexから始めてください。片方で困っていなければ、無理に両方を契約する必要はありません。

両方を使うなら、最初は実装と独立レビューに分けるのが安全です。次に調査と実装を分け、独立タスクが増えたときだけworktreeと管理画面を導入します。エージェントを増やすことではなく、差分、テスト、承認の境界を明確にすることが、併用の効果を決めます。

よくある質問

Claude CodeとCodexはどちらが高性能ですか?

一律には決められません。利用モデル、推論設定、権限、リポジトリ、課題によって変わります。今回の1回の統制実験では、両者とも実装と隠しテストに成功し、5つの意図的な不具合をすべて検出しました。

初心者にはClaude CodeとCodexのどちらがおすすめですか?

すでにClaudeを使うならClaude Code、ChatGPTを使うならCodexから始めると、契約と操作を増やさずに済みます。初心者ほど、モデルの差よりGit差分とテストの確認方法を先に覚える方が安全です。

Claude CodeとCodexを連携する公式機能はありますか?

あります。OpenAI公式のcodex-plugin-ccをClaude Codeへ追加すると、Codexのレビュー、反対意見、救援、セッション引き継ぎをClaude Code内から実行できます。独立タスクの並列開発では、引き続きGitのbranch、worktree、GitHubのPRを共通の受け渡し場所にします。

同じリポジトリで同時に使えますか?

使えますが、同じworking treeへ同時に書かせないでください。タスクごとにworktreeとbranchを分け、担当ファイルと統合順を決めます。

Claude CodeとCodexを無料で使えますか?

2026年7月26日時点で、CodexはFreeプランから軽い課題を試せます。ClaudeのFreeプランにClaude Codeは含まれず、個人の定額利用はProからです。どちらもAPIキーによる従量利用を選べます。無料枠、モデル、上限は変わるため、開始時に公式料金を確認してください。AGI Cockpitの中心機能が無料でも、接続するClaude CodeとCodexの料金は別です。

MCPやSkillsは両方で共有できますか?

考え方と一部の定義は近いですが、設定場所、サポート範囲、指示の解釈は同一ではありません。共通ルールをAGENTS.mdに置く場合、Claude CodeのCLAUDE.mdから@AGENTS.mdをimportします。製品固有の権限やツール設定は分けて検証してください。

スマホから使えますか?

Claude CodeはClaudeアプリのCode、Remote Control、Web、Dispatchを使えます。詳しい実行場所の違いはClaude Codeをスマホで使う方法で解説しています。CodexはiOS・AndroidのRemoteから、実行中のMac・Windows上のChatGPTデスクトップへ接続し、ローカルのCodexチャットを操作できます。クラウドタスクも開始・確認できますが、ローカルCodex CLIを直接Remoteのホストにはできません。

参照した主な一次情報

仕様、料金、モデル、利用上限は変わります。導入時には各リンクの最新情報を確認してください。

Claude CodeとCodexを複数タスクで使う人は、AGI Cockpitの対応範囲と制約を見る