今年もこの季節がやってまいりました!
9月30日午前2時 (日本時間)、OpenAI DevDay 2026 の基調講演です。

AGIラボでも深夜に同時視聴会を開き、実況しながら見ました。

基調講演に登壇した Sam Altman
基調講演に登壇した Sam Altman

会場はサンフランシスコの Fort Mason です。
基調講演には、CEO の Sam Altman が登壇しました。

OpenAI は今回を「過去最大の DevDay」と呼び、主な発表は20を超えました。
大きくまとめると、次の5つです。

  1. dots:24時間働くエージェント

  2. GPT-6.1 Sol と Ultrafast:安いモデルと、速さの新しい区分

  3. Codex と API:PC を閉じても作業が続く

  4. 外部サービスとの連携の強化:Sign in with ChatGPT とプラグイン

  5. チームで AI と働く:Space と Pages

順に、何が発表され、なぜ注目しておきたいかをまとめます。

1. dots:24時間働くエージェント

1つ目は、常時稼働のエージェント「dots」です。
GPT-6 Astra で動き、アプリとつないで、持ち主の代わりに働き続けます。

dots の紹介のステージ
dots の紹介のステージ

ステージの大きな画面に、dots のキャラクターが並んだ場面です。

スマホから dot に仕事を頼むデモ
スマホから dot に仕事を頼むデモ

画面の右は、スマホから dot とやり取りしている様子です。

Slack のスレッドを dot に任せるデモ
Slack のスレッドを dot に任せるデモ

デモでは、Slack で頼まれた面倒な確認を、スレッドごと dot に転送していました。

OpenAI のエンジニアが使う dot は、1日に何十ものバグを直しているそうです (基調講演での発言)。

任せ方は、自分で決められます。
自分で進めてよいこと、先に確認すること、してはいけないことを設定できます。

dot は専用のクラウドのコンピュータで動きます。
自分の PC をつなぐかどうかは任意です。

提供は、対象地域の Pro と Business Premium から始まります。
Enterprise などは、管理者が有効にするとベータ版を試せます。

基調講演では、dot との会話は利用枠を消費しないと話していました。

企業向けには、経理や法務を受け持つ「specialist dots」も紹介されました。

頼むたびに返事を待つ使い方から、仕事を預けておく使い方へ。
ChatGPT の使い方そのものが変わる発表でした。

2. GPT-6.1 Sol と Ultrafast:安さと速さ

2つ目は、モデルです。
基調講演では、Astra について「もっと安く、もっと速く」という声が多かったと話していました。

GPT-6.1 Sol と GPT-6 Astra の料金のスライド
GPT-6.1 Sol と GPT-6 Astra の料金のスライド

ステージのスライドは、GPT-6.1 Sol と Astra の料金の比較です。

その「安く」への答えが、GPT-6.1 Sol です。
GPT-6 Sol の改良版で、Astra に近い性能を、Astra の5分の1の料金で使えます。

API の料金は、100万トークンあたり入力 $2、出力 $10 です。

キャッシュされた入力は $0.10 で、同じ文脈を何度も読むエージェントに向きます。

DeepSWE の性能と費用のグラフ
DeepSWE の性能と費用のグラフ

公式ページのグラフで、横軸が1タスクあたりの費用、縦軸が正答率です。
黄色の GPT-6.1 Sol が、左上 (安くて性能が高い位置) に来ています。

コーディングの評価 DeepSWE v1.1 では75.2%を記録し、Astra の74.1%を上回りました。

基調講演では「毎日の主力 (daily workhorse) になる」と話していました。

使えるのは、ChatGPT Work と Codex (Plus 以上)、そして API です。
通常の Chat には、まだ来ていません。

Ultrafast と標準の速さの比較
Ultrafast と標準の速さの比較

もう一つの「速く」への答えが、Ultrafast です。
生成速度が Codex で最大8倍 (毎秒300トークン)、API で最大6倍になります。

画面は、同じロケットを標準と Ultrafast で組み立てる比較です。
Ultrafast が飛び立った時、標準はまだ組み立ての途中でした。

API では、GPT-6 Astra の Ultrafast が発表当日から使えます。
料金は100万トークンあたり入力 $60、出力 $300 です。

GPT-6.1 Sol の Ultrafast も、近日提供とのことです。

Pro 500 のスライド
Pro 500 のスライド

ChatGPT では、月額 $500 の新プラン「Pro 500」で Ultrafast が使えます。
利用枠は Plus の25倍です。

あわせて、月額 $200 の Pro 200 も新規受付を再開しました。
既存の契約は、2026年10月29日まで従来の利用枠のままです。

Astra に近い性能を、5分の1の料金で。
今回いちばん実務に効きそうなのは、この点です。

3. Codex と API:PC を閉じても作業が続く

3つ目は、開発者向けのツールです。
中心は、Codex がクラウドで動くようになったことでした。

Codex in the cloud の発表
Codex in the cloud の発表

スマホで始めたタスクを、ブラウザや PC でそのまま続けられます。
途中でノート PC を閉じても、作業は止まりません。

デモでは「バックエンドを全部 Rust に書き直して」という大仕事を、クラウドに送りました。
終わるのを待たず、あとで結果を見に来る使い方です。

Rust への書き直しをクラウドに任せるデモ
Rust への書き直しをクラウドに任せるデモ

右上に、送った指示「Rewrite the entire backend in Rust.」が見えます。

会場の 3D 空間を作り替えるデモ
会場の 3D 空間を作り替えるデモ

開発者向けのデモは、会場を 3D で再現した空間から始まりました。
空いた客席に dots を座らせるなど、その場で作り替えていました。

Codex CLI も新しくなり、音声でタスクを始めて操作できます。
複数のタスクを見渡せる /agents ビューも入りました。

来年の DevDay のチケットを当てる抽選アプリ
来年の DevDay のチケットを当てる抽選アプリ

CLI のデモでは、来年の DevDay の無料チケットが当たる3人を選ぶアプリを作りました。
「6人にして」と頼むと、数秒で作り直されました。

このデモでは音声入力がうまく動かず、キーボードで指示する場面もありました。
ライブデモらしい一幕です。

アプリを画面サイズごとに確かめるデモ
アプリを画面サイズごとに確かめるデモ

Codex のアプリでは、自作アプリを画面サイズごとに操作し、スクリーンショットを撮るよう頼んでいました。

作ったものを動かして確かめるところまで、任せられます。

Agents API の computer use の発表
Agents API の computer use の発表

API では、Agents API が computer use (PC の操作) に対応しました。
エージェントが、ソフトを操作して仕事を進められます。

Astra が自作のゲームを遊ぶデモ
Astra が自作のゲームを遊ぶデモ

デモでは、Astra が自作の3Dゲームを自分で遊んでいました。
画面の左にモデルの判断、右に押しているキーが出ています。

Decisions API のデモ
Decisions API のデモ

もう一つ新しいのが、Decisions API です。
開発者が決めた質問と選択肢に、Luna が即座に答えます。

問い合わせの振り分けや、画像の分類、エージェントの次の行動の決定に使えます。
今は限定プレビューで、数日のうちに広く公開される予定です。

小さなロボットのデモ
小さなロボットのデモ

開発者向けデモの締めは、小さなアヒル型のロボットでした。
画像の理解・画像生成・音声を組み合わせ、会場を見て絵を描くよう頼んでいました。

OpenAI 社内の研究での AI の成功率のグラフ
OpenAI 社内の研究での AI の成功率のグラフ

基調講演では、OpenAI 社内の研究での使われ方も紹介されました。

1日がかりの研究タスクの3分の1超を、人の介入なしにこなすようになったそうです。

ほかにも、次の発表がありました。

  • Code Review:ChatGPT のデスクトップアプリで差分を読み、GitHub の PR や GitLab の MR に返す

  • Codex Security Cloud:GitHub のリポジトリを定期的に調べ、修正案をクラウドで用意する

  • Bedrock Managed Agents:Amazon と共同。AWS の中だけで動く OpenAI のエージェント

  • Private Intelligence:OpenAI の社員が中身を見ずに安全性を確認する、企業向けの仕組み

Codex Security Cloud の発表
Codex Security Cloud の発表

スライドは、Codex Security Cloud の発表の場面です。
PC を閉じていても、クラウドで脆弱性を調べ続けます。

基調講演では、Codex の harness (エージェントを動かす土台) をオープンソースにしたとも話していました。

4. 外部サービスとの連携の強化

4つ目は、ChatGPT と外部のサービスとの連携です。

Sam Altman によると、ChatGPT を毎週使う人は約12億人です。

その ChatGPT に、外部のサービスをつなぎやすくする発表が続きました。

いちばん大きいのは、Sign in with ChatGPT です。
ユーザーは、自分の ChatGPT のプランの枠で、ほかのアプリを使えます。

Sign in with ChatGPT の最初のパートナー
Sign in with ChatGPT の最初のパートナー

最初は Devin、Notion、Vercel、OpenClaw など16のパートナーからです。

プランの枠が使えるのは、Plus と Pro のユーザーです。

アプリを作る側は、ユーザーのトークン代を自分で持たずに済みます。
個人で作ったツールを、試してもらいやすくなります。

Plugin extensions の画面
Plugin extensions の画面

プラグインも大きく広がりました。
Plugin extensions で、ChatGPT のサイドバーや会話の横に、自分のアプリの画面を置けます。

画像は Canva のプラグインの例です。
基調講演では、Figma や Adobe の Photoshop を ChatGPT の中で使うデモもありました。

ChatGPT の中で写真を編集するプラグインのデモ
ChatGPT の中で写真を編集するプラグインのデモ

会話の横で、写真の編集画面を操作しているところです。

MCP Events のスライド
MCP Events のスライド

MCP Events にも対応しました。
つないだアプリで何か起きた時に、それをきっかけに ChatGPT が動けます。

たとえば、プロジェクトのボードに新しいタスクが入ったら、資料を読んで計画の下書きを作れます。

ほかに、Sites へのプラグインの追加や、審査の刷新もありました。

視聴会では、ハッカソンの作品ギャラリーを Sites で公開した話が出ました。

フォームの投稿を Sites に反映し、Discord に知らせる使い方もできそうです。

企業向けには、OpenAI Marketplace が始まります。

OpenAI との契約額の一部を、Adobe や Figma など32社のソフトに充てられます。

5. チームで AI と働く

5つ目は、人と AI が同じ場所で働くための機能です。
dots の発表の中で、デモとあわせて紹介されました。

Space で人と dot が同じページを編集するデモ
Space で人と dot が同じページを編集するデモ

ChatGPT Space は、チームと ChatGPT と dot が一緒に作業する場所です。

デモでは、Space の中で dot に「棒グラフにして」と頼んでいました。
できたグラフは、その場で絞り込みもできます。

Pages は、人とエージェントが一緒に編集する新しい文書です。

スライドの共同編集も数週間のうちに始まります。
PowerPoint や Google Slides に書き出せます。

チーム向けには、次の機能もそろいました。

  • チームタスク:毎週の報告などの定期的な仕事を、チームで ChatGPT に任せる

  • @ChatGPT in Slack / Teams:チャンネルで ChatGPT を呼べる

  • Meetings plugin:会議のメモを Space に保存し、音声は削除する (macOS のベータ)

議事録も資料も定例の報告も、人と AI が同じ場所で扱えるようになります。

視聴会では、Space の第一印象は「Notion みたい」という声が出ていました。

Space は Pro 以上のプランが対象で、Plus では使えません。
「Pro にアップグレードする時期かも」という声もありました。

AGIラボで試したこと

AGIラボでは、基調講演にあわせて約2時間のウォッチパーティーを開きました。
録画は約2時間36分で、基調講演のあとも議論が続きました。

その場で Ultrafast を試したのが、運営の陽太さんです。

Pro 500 ($500 のプラン) を契約し、AGI Cockpit を Ultrafast に対応させる実装を頼みました。

Ultrafast (GPT-6 Astra) は、この実装を4分29秒で終えました。
同じ実装を Opus 5.5 に頼むと、23分ほどかかりました。

ただ、UI の作り込みは Opus 5.5 の方が優れていました。
視聴会でも「UI がいいのは圧倒的に Opus」という声が出ていました。

気になるのは、利用枠の減り方です。
この実装だけで、1週間の利用枠の約7%を使いました。

標準と Ultrafast の速さの比較 (OpenAI の公式動画から)

OpenAI の公式動画の一場面で、標準がまだ組み立て中のうちに Ultrafast は発射しています。
速さの代わりに、利用枠も速く減ります。

X では「30分で1週間の利用枠を使い切った」という声も見かけました。

視聴会では、重大なセキュリティ事故への対応のような、急ぎの場面向きという話も出ました。

私は、Ultrafast は基本的には使いどころをよく考えないといけない機能だと感じています。

深夜の同時視聴会に参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

公式のまとめはこちらです。

https://openai.com/index/devday-2026-recap/

基調講演のアーカイブは YouTube で見られます。