自然言語の指示だけでウェブサイトやアプリを作成できるAIエージェント「Anything」(旧Create.xyz)が、今大きく進化を遂げています。

2025年にサービス名がCreate.xyzからAnythingへとリブランディングされる際、大幅なアップデートが行われました。


いわゆる「バイブコーディング」(AIと対話しながらコードを書かずにアプリ開発する手法)を体現したサービスで、プログラミング初心者でもアイデアを入力するだけで本格的なアプリを構築できます。

本記事では、Anythingの基本機能、Createから追加・変更されたポイント、具体的な使い方、そして実際にAnythingで開発されたサイトやサービスの事例まで、初心者向けにわかりやすく徹底解説します。


Anythingとは?

Anythingは、AIによってユーザーの要望をそのままウェブサイトやウェブアプリに変えてくれる開発プラットフォームです 。

ユーザーがチャットで「○○なアプリを作りたい」と伝えるだけで、フロントエンドからバックエンドまでフルスタックのアプリを自動生成してくれます。

プログラミングやサーバ設定を一切自分で書かなくてもよく、まさにノーコード感覚で本格的なサービスを構築・公開できるのが特徴です。
Anythingでは最初からアプリに必要な機能がオールインワンで組み込まれています 。

例えば、データベース(Postgres)やユーザー認証、課金決済(Stripe連携)、ファイルアップロード(ストレージ)、ログ管理、さらにはGPT-4やClaudeといったAIモデルの統合、Google Maps、NewsAPIなど100以上の外部API連携までもが標準で備わっており、面倒な設定なしにすぐ利用できます。

これらの下支えがあるため、ユーザーは「作りたいものの内容」に集中することができます。

Createからの変更点

特に注目すべき変更点・新機能は次のとおりです :

  • AIエージェントの強化: コーディングを行うAIモデルが大幅にパワーアップし、高度な「推論(Reasoning)」機能が追加されました。
    これにより、ユーザーの複雑な要望に対してもより的確に対応し、コードや構成を自律的に考えて提案・修正できるようになっています 。

  • モバイルアプリ対応: 従来はWebアプリ構築が中心でしたが、AnythingではiOS・Android向けのモバイルアプリも同時に作成できるようになりました 。1つのプロジェクトからウェブとモバイル両方に対応したアプリが生成でき、共通のバックエンドでデータを共有できます 。

  • スケーラビリティとファイルシステム: 新しいAnythingでは、内部アーキテクチャとしてネイティブファイルシステムを採用し、より大規模で複雑なアプリにも耐えうる設計に刷新されました。
    コードベースが大きくなっても効率よく管理・ビルドできるため、企業向けの本格サービス開発にも対応可能です。
    またデータベース基盤にはサーバレスPostgresのNeonを採用しており、アクセスが少ない時は自動でリソースを絞ってコストを抑え、必要に応じてスケールアウトする柔軟性があります。

AIエージェントの賢さと対応範囲が飛躍的に向上し、Webに加えてモバイル対応まで実現したのがAnythingへの進化ポイントです。


Anythingの主な機能

Anythingは、アイデアを具体的なアプリケーションに変えるための強力な機能を多数備えています。
ここでは、その中核となる「基本機能」と、より高度な開発を可能にする「詳細機能」に分けてご紹介します。


基本機能:アイデアを形にするコアエンジン

Anythingの基本的な機能は、自然言語での対話を通じて、Webサイトやモバイルアプリを構築することです。
作りたいアプリの概要を数文で伝えるだけで、AIが必要な要素を自動で生成します。

  • 自然言語でのアプリ構築: 「〜なアプリを作って」とチャットで指示するだけで、ページ、機能、コンポーネントが自動的に生成されます。

  • コア・ビルディングブロック:
    アプリは以下の基本的な要素で構成され、これらもAIが自動で構築・管理します。

    • ページ (Pages): アプリの画面やUIレイアウト

    • コンポーネント (Components): ナビゲーションバーやボタンなど、再利用可能なUI部品

    • 連携 (Integrations): 外部サービスやAI機能との接続

    • 関数 (Functions): データ処理やAPI連携などのバックエンドロジック

    • データベース (Databases): データの保存・管理

    • ユーザーアカウント (User Accounts): 認証やユーザー管理

    • アセット (Assets): 画像やロゴなどのファイル管理

  • 反復的な改善: 一度作った後も「このボタンの色を変えて」「この機能を追加して」といった対話を通じて、継続的にアプリを改善・洗練させることができます。

  • 簡単なテストとデプロイ: 開発中のアプリはプレビューで即座に動作確認でき、完成すればワンクリックでWebサイトやモバイルアプリとして公開できます。


詳細機能:本格的なアプリ開発を支える拡張性

基本機能に加え、Anythingはより複雑で本格的なアプリケーション開発を可能にするための詳細機能を備えています。


1. 豊富な連携機能 (Integrations)

50以上の組み込み連携機能により、外部の強力なサービスやAIをアプリに簡単に組み込めます。

  • 多様なAIモデル連携: ChatGPT (GPT-4o), Anthropic Claude 3.5 Sonnet, Google Gemini 1.5など、最新のAIモデルをチャットで呼び出すだけで利用できます。画像生成AI(Stable Diffusion, GPT-4 Vision)も利用可能です。

  • AIツール: 音声の文字起こし、テキストの音声変換、Markdownのレンダリングなど、便利なAIツールが揃っています。

  • UI & デザイン: Chakra UIやshadcn/uiといった人気のUIライブラリを使って、洗練されたデザインのUIを簡単に構築できます。

  • 外部API連携: Google Maps, Stripe, Slack, Discord, Airtableなど、ビジネスに不可欠な多数のサービスと簡単に連携し、多機能なアプリを開発できます。


2025年8月時点で、公式サイトに掲載されているIntegrationsの一覧です。

AIモデル以外にも様々なAPIを利用した統合が可能です。

機能に合わせて、複数のツールを繋ぎ込んだサービスが簡単に実装できるのがAnythingの1つの特徴です。


2. チャットで操作できるデータベース(Databases)

すべてのプロジェクトに無料でPostgreSQLデータベースが付属し、専門知識がなくてもチャットで簡単にデータを管理できます。

  • 自動的なデータベース設計: 「タスク管理アプリを作って」と指示すれば、AIが必要なテーブル(例:Tasks, Users)やフィールド(例:title, description)を自動で設計・作成します。

  • 柔軟なデータ管理: チャットでの指示を通じて、フィールドの追加・削除、テーブル間のリレーションシップ設定、サンプルデータの生成などを柔軟に行えます。

  • GUIビューア: 専門的なSQLクエリを書かなくても、スプレッドシートのような感覚でデータベース内のデータを確認・編集できます。

  • 安全な開発環境: 開発中の変更はテストデータベースに適用され、公開(Publish)時に本番データベースに反映されるため、安全に開発を進められます。


3. 簡単な決済機能の導入 (Payments)

Stripeとの強力な連携により、複雑な設定なしでサブスクリプションや一括払いの決済機能をアプリに導入できます。

  • 多様な支払いモデルに対応: 月額課金、一括での支払いや、複数の料金プラン(例:Basic, Pro)など、様々なビジネスモデルに対応可能です。

  • シンプルなセットアップ: 通常はStripe側で必要な価格IDの作成やWebhookの設定が一切不要です。
    チャットで「月額20ドルのProプランを作って」と指示するだけで、決済フローが構築されます。

  • テストと本番環境の自動切り替え: 開発中はテスト用の決済情報で安全に動作確認ができ、公開すると自動的に本番の決済モードに切り替わります。


4. 公開とホスティング (Publishing)

作成したアプリは、簡単な手順でインターネット上に公開できます。Anythingがホスティングも提供するため、サーバーの契約や管理は不要です。

  • ワンクリックでの公開: `Publish`ボタンを押すだけで、アプリが公開され、`created.app`のサブドメイン(例:`yourapp.created.app`)で即座にアクセス可能になります。

  • カスタムドメイン対応: Proプランにアップグレードすれば、独自ドメイン(例:`yourdomain.com`)を接続することも可能です。

  • 公開設定: どのページをどのURL(ルート)で公開するかを柔軟に設定できます。ホームページは`/`、アバウトページは`/about`のように指定します。

  • SNSプレビューのカスタマイズ: X (旧Twitter)やFacebookなどで共有された際に表示されるタイトル、説明、プレビュー画像を自由に設定できます。

  • アクセス制限: 公開したアプリは誰でもアクセスできますが、ユーザー認証機能と組み合わせることで、ログインユーザーのみにアクセスを限定することもできます。


5.料金体系

Anythingは無料でも使えますが、クレジットが制となっており上限があります。

・無料:5,000クレジット
・Pro 20k (月額19ドル):20,000クレジット
・Pro 50k(月額29ドル):50,000クレジット
・Pro 100k(月額19ドル):100,000クレジット

簡単なアプリを1つ、お試しで作ってみる分には無料プランでもできるかと思います。