0117
ヤスナ28 恵みを求める祈り
第1節
マズダーよ、恵みの助けを敬い求め、両手をあなたへ差し伸べて、私はあなたの聖なる霊の第一の祝福を祈る。すべての行いを真理のうちに行えるように。そして善き思いの知恵を授かり、牛の魂をなだめることができるように。
第2節
アフラ・マズダーよ、善き思いに動かされて、私はあなたのもとへ近づく。肉体と心、二つの世界のために、真理から生まれる恵みを与えてほしい。その恵みによって、真理は受け取る者を至福と栄光のうちへ導くのだから。
第3節
真理よ、そして善き思いよ、私はあなたたちを讃え、誰よりも先にアフラ・マズダーを讃えよう。あなたたちのもとでは、揺るがぬ敬虔が、朽ちることのない統治を前へ進めている。私が呼び求めるとき、どうか助けに来てほしい。
第4節
私は、この心と魂を天の讃えの座へ捧げる者。アフラ・マズダーの定めた行いに、どのような報いが備えられているかを知っている。だから力の及ぶかぎり、真理を慕い求めることを人々に教え続けよう。
第5節
真理よ、いつ私はあなたを見ることができるのだろうか。善き思いを知り、恵み深いアフラ・マズダーへ至る道である、聞き従う心を見いだすのは、いつだろうか。この聖なる祈りの言葉こそ、舌の力で、肉を食らう魔物どもを追い払うのだ。
第6節
アフラ・マズダーよ、善き思いとともに私のもとへ来てほしい。真理によって恵みを与えるあなたよ、長く続く命を私たちに与えてほしい。そしてあなたの力ある言葉によって、ザラスシュトラと私たちに強い支えを与えてほしい。苦しめる者のもたらす苦しみに、私たちが打ち勝てるように。
第7節
真理よ、善き思いの実りである祝福を私に与えてほしい。敬虔よ、ヴィーシュタースパと私の願いをかなえてほしい。マズダーよ、統べる方よ、あなたの恵み深い言葉を私たちが聞き分けられるよう、力を貸してほしい。
第8節
存在するもののうちで最も善き方、アフラよ。最も善き真理と意志を一つにするあなたに、その最も善き恵みを乞い願う。勇士フラシャオシュトラのために、そして私自身のために。ひとときのためではなく、善き思いの続くすべての世にわたって、それを与えてほしい。
第9節
アフラ・マズダーよ、真理よ、善き思いよ、これらの力づける恵みを受けながら、あなたたちを怒らせることが決してないように。私たちは讃え歌を捧げ、あなたたちの務めを進めようと力を尽くしてきた。あなたたちは呼べばすぐに応えてくれる方であり、私たちに祝福を望む心も、それをかなえる力も、あなたたちのものなのだから。
第10節
アフラ・マズダーよ、善き思いの恵みで私の願いを満たしてほしい。その恵みが真理から生まれた尊いものであることを、あなたは知っている。あなたの教えは決してむなしくならず、日々の糧を得る営みを支える。だからこそ、それは願い求めるに値するのだと私は知っている。
第11節
私は、この恵みによって、真理と善き思いをいつまでも守り抜く者である。だからアフラ・マズダーよ、あなた自身の霊の口から私に教えてほしい。この世界が初めに、いかなる力によって生じたのかを。待ち望む人々へ、それを告げ知らせるために。
0217
ヤスナ29 牛の魂の訴え
第1節
あなたたちに向かって、牛の魂が声をあげて叫んだ。誰のために、あなたたちは私を造ったのか。誰が私を形づくったのか。怒りと暴力、荒廃の一撃、臆面もない横暴、そして略奪の力が私を襲う。あなたたちのほかに、牧草を与えてくれる者はいない。だから私に、田畑を耕す善き道を教えてほしい。
第2節
そこで牛の造り主は真理に尋ねた。おまえは牛のために、どのような守り手を立てたのか。牛を造ったとき、牧草とともに、腕が立ち、労を惜しまない牛飼いの長を、どのように備えたのか。偽りに従う者たちの猛威を打ち返す主として、誰を選んだのか。
第3節
真理はその聖なる心をもって答えた。猛威を打ち返す力を持ち、しかも自らは憎しみを抱かない長は、見いだせなかった。天の高き火を動かし、神意を示すその力が何であるのかは、私たちのような者には知り得ない。存在するもののうちで最も力ある方はマズダーであり、行いをなし終えた者たちは、呼び求めながらその方のもとへ近づくのだ。
第4節
アフラ・マズダーこそ、語られてきた言葉を誰よりも深く心に留めている方。それらの言葉は、これまでダエーワたちと人間たちの行いのうちに実現してきたし、これからも実現していく。マズダーは見分ける裁き手。だから私たちの上には、その方の望むままに事が成るのだ。
第5節
こうして私たち二人、私の魂と母なる牛の魂とは、両手を差し伸べ、二つの世界のためにアフラ・マズダーへ祈りを捧げる。疑いのうちに問いを抱えて、マズダーに尋ねるのだ。正しく生きる者が、勤勉に耕す者が、偽りに従う者もろともに滅びることがあってよいのか、と。
第6節
そのときアフラ・マズダー、洞察をもって奥深いことわりを知る主が語った。このようにしては、主も、真理にかなって立てられた長も見つからない。それゆえ私はおまえを、勤勉に耕す者たちのための長として名指したのだ。
第7節
マズダーは、真理と心を合わせて、豊かな実りをもたらす聖なる言葉を造った。マズダーは牛のために、そして食べる者たちのために糧を備えた。その教えにおいて恵み深い、ただ一人の方である。しかし、善き思いを備え、その教えを口づから人々に告げられる者を、あなたは誰か持っているのか。
第8節
ここに、ただ一人、私たちの教えに耳を傾けた者が見いだされた。スピターマ家のザラスシュトラである。彼はマズダーと真理のために、力に満ちた恵みの業を告げ知らせることを望んでいる。それゆえ私は彼に、語る者にふさわしい善き住まいを与えよう。
第9節
すると牛の魂は嘆いた。ああ、私が傷つきの中で得た守り手は、望みをかなえる力を持たない主、気弱な人間の声にすぎないのか。私が求めていたのは、意のままに力を振るえる王者であったのに。いったいいつになれば、その手の力で牛を助ける者が現れるのだろうか。
第10節
アフラよ、そして真理よ、この人々に喜びを与えてほしい。善き思いのうちに立つ統治を与えてほしい。それによって、穏やかな住まいと静かな幸せがもたらされるのだから。マズダーよ、私はつねに、それらを最初に持つ方はあなただと思ってきた。
第11節
真理と、善き思いと、統治とは、いつ私のもとへ急ぎ来てくれるのだろうか。アフラ・マズダーよ、どうか今、この大いなる務めのために、あなたたちの助けを豊かに与えてほしい。あなたたちのような方々の恵み深い支えに、私たちがあずかれるように。
0317
ヤスナ30 二つの霊の選び
第1節
近づき集まり、教えを求めるあなたたちよ、いま私は語ろう。すべてを知る方にかかわる教えのことばを。アフラへの賛美と、善き思いから生まれる捧げものと、真理が呼び起こす恵み深い思索とを。そして私は祈る。天の光のうちに、幸いのしるしが見えるようにと。
第2節
耳を澄まして聞け。輝く炎を、より善き思いの目で見つめよ。これは信仰の決断である。ひとりひとりが、自分自身のために選ぶのだ。大いなる務めが始まる前に、あなたたちはみな目覚めて、この教えに心を向けよ。
第3節
はじめから知られてきたのは、双子の二つの霊である。二つは対をなしながら、思いにおいても、言葉においても、行いにおいても、それぞれ独立して働く。一方はより善いもの、他方はより悪いものである。この二つの間で、賢く行う者は正しく選べ。悪を行う者たちのようであってはならない。
第4節
はじめに二つの霊は出会い、命と、命なきものとを造り、世界が最後にどうあるかを定めた。偽りに従う者には最悪の命である地獄が、聖なる者には最も善き思いの境地である天が備えられた。
第5節
創造の業をなし終えると、二つの霊はそれぞれの領分をはっきりと選んだ。悪しき方の霊は悪を選び、なしうる限り最悪のことを働いた。だが、より恵み深い聖なる霊は真理を選んだ。天の堅い石を、ころもとして身にまとうその方が。そしてその方は、信仰のとおりの誠実な行いによってアフラを喜ばせる人々をも、ともに選んだのだ。
第6節
だが、この二つの霊の間で、ダエーワたちとそれを拝む者たちは正しく選ぶことができなかった。惑わされていたからである。彼らが集まって問い、論じ合っているところへ、選ばれようとして悪しき思いが近づいた。彼らはその致命的な選択をなし、怒りの魔のもとへなだれ込んだ。人間の命を病ませるために。
第7節
そこへ敬虔が近づいた。統治の力と、善き思いと、真理とがともに来た。そして、揺るがずたゆまぬ敬虔は、造られた魂たちに体を与えた。マズダーよ、あなたが初めて創造とともに来られたときのように、終わりの日にも、あなたの民の体がそのようであってほしい。
第8節
そして大いなる戦いが戦い抜かれ、悪をなした者たちの上に正しい報いが下るとき、マズダーよ、あなたの民の内に働く善き思いによって、統治はあなたのものとなる。命の主アフラよ、そのとき善き思いは、偽りを捕らえて真理の両の手に引き渡す者たちへ、命令を告げるのだ。
第9節
そして私たちが、この大いなる新生をもたらし、世界を完成へ向けて前へ進める者となれるように。マズダーのアフラたちのように、あなた自身のように、私たちもなれるように。真理とひとつになって恵みを差し出し、あなたの民を助けるために備えている者と。私たちの思いは、まことの知恵がその住まいに宿る、あの場所へと向かうのだから。
第10節
完成のときが来れば、偽りの上に滅びの一撃が下り、それに従う者たちもともに滅びる。だが真理に生きる者たちは、誰よりも速く、善き思いとアフラの幸いな住まいに集う。この地上を、善き誉れのうちに歩んできた者たちが。
第11節
だから人々よ、あなたたちは学んでいるのだ。幸いのときにも悲しみのときにも、アフラが与えた信仰の掟を。そして、偽りに従う者を待つ長い苦しみと、真理に生きる者のために備えられた祝福とを。それらがその歩みを始めるとき、救いはあなたたちのものとなる。
0417
ヤスナ31 ためらう者への教え
第1節
この教えを、私たちは心を込めて語り告げ、覚えたままにあなたたちへ唱え聞かせる。害なす偽りの誓いによって真理の郷を死へ引き渡す者たちには、いまだ信じて聞かれたことのない言葉である。だが、アフラに心から身を捧げる者たちには、この上なく善い言葉なのだ。
第2節
もしこの言葉によっても、疑いようのない真理が魂に見えてこないなら、私は言葉にまさるものとして、この身をもってあなたたちみなのところへ行こう。アフラ・マズダーが知り、その定めによって導き手を立てる、その力と道をたずさえて。争い合う二つの陣営の上にその導き手は立てられ、私たちはそれに従って、真理のままに生きるのである。
第3節
あなたが霊と、火と、真理そのものによって、争う両の陣営に与える鋭い洞察と、決着をもたらす裁きとを、アフラよ、私たちに告げてほしい。それは、心の光を与えられて見る者たちのための誓いである。マズダーよ、私たちが知ることができるように、あなたの口の舌でそれを語ってほしい。私がそれを説いて、生きているすべての者を信じる者にできるように。
第4節
真理が私の呼びかけに心を傾け、マズダーのアフラたちである残りの聖なる方々もともに応えてくれるとき、私は報いの祝福と、敬虔と、私の内に働くあなたの最も善き思いとをもって、あの力強い王国を祈り求めよう。その力によって、私たちが偽りを打ち砕けるように。
第5節
私が見分けられるように、教えてほしい。真理を通じて、より善い運命は与えられるのだから。私の内で語るあなたの善き思いによって知り、私の語るこの真実がどこへ属するのかを深く思うことができるように。マズダー・アフラよ、あってはならないことと、あるべきこととを、私に告げてほしい。
第6節
すべてを知る方がまことの行いのうちに私へ告げる言葉こそ、その方にとってあらゆる言葉の中で最も善いものとなる。それは健やかさと不死の聖なる言葉であり、その恵みの力を告げ知らせるからだ。そして偉大な創造者には、私が勝利のために力を願ったあの統治がある。それは終わりの日に、聖なるもののうちに栄え、その方の栄光となるだろう。
第7節
これらの真理を最初に思い描いたのは、その方である。その思いのままに、栄光ある構想は光をまとい、星々の姿をとった。その方はその知恵によって、真理の造り主である。同じようにその方は、聖なる人々の内なる恵みの思いを支えている。アフラ・マズダーよ、あなたのものであるこの聖なるものたちを、あなたの霊によって栄えさせてほしい。あなたは、いつのときにも変わらない方なのだから。
第8節
だから私は、あなたを第一の方として心に思い描いた、アフラ・マズダーよ。創造のうちにあって心で礼拝すべき方として、私たちの内なる善き思いの父として。開かれた目であなたを見て、私は知ったのだ。あなたこそ真理のまことの造り主、生の行いの主であることを。
第9節
アフラよ、敬虔はあなたのものだった。牛の造り主よ、知恵と霊もあなたのものだった。あなたが牛のために、導きの道を定めたときに。牛はその定められた道を、大地を耕す者のもとから行くこともでき、耕すことのない者のもとから行くこともできる。あなたの道は、牛に選びを与えたのだ。
第10節
だが牛は迷わなかった。二つのうちから、田畑でつつましく働く農夫を、善き思いの富を授かった聖なる主人として選んだのだ。マズダーよ、盗みを働く遊牧の者が善き信仰を分かち持つことは、決してない。それを授けるのは、牛の選びなのだから。
第11節
はじめにアフラ・マズダーよ、あなたは聖なる郷を造り、信仰の掟を示した。あなた自身の心から私たちに知恵を与え、肉の命を造り、その力によって行いを定め、さらに身近な諭しを授けてくれた。願う者がそれを物差しとして、自らの選びを置けるように。
第12節
そこでたちまち争いが起こり、いまも続いている。あなたの預言者のかたわらで、真実を語る者も偽りを語る者も、目覚めた者も無知な者も、心と思いを込めて声を上げる。だが敬虔はその争いにひるまず、たゆむことなく二つの霊に問いかける。この地上ではなく、二つの霊がその住まいとして宿るところで。
第13節
造り主よ、あなたはすべての上に目を注いでいるのだから、問いを軽々しくすることはできない。公然と問われる問いにも、光を避けてひそかに問われる問いにも、そして、ほんの小さな罪に最も重い償いを課すあの者にも。あなたはその輝く目をもって、真理の見張り手として、すべてを見つめているのだ。
第14節
そこであなたに尋ねよう、アフラ・マズダーよ。いま、どのようなことが起ころうとしているのか。これから、どのようなことが来るのか。聖なる者たちの捧げものとともに、どのような罪の告白の祈りがささげられるのか。偽りに従う者たちには何が報いとして下るのか。そして完成の終わりのとき、彼らはどうなっているのか。
第15節
マズダーよ、これも尋ねたい。悪しき者のため、悪を行う者のために王座を整える者には、どのような報いがあるのか、アフラよ。その者は、耕す者の牛の群れと、偽りを口にしない敬虔な農夫の家畜とに、非道の害を加えなければ、おのれの暮らしを立てることさえできないのだ。
第16節
そして、このようなことも尋ねたい。賢い行いによって、家の上に、地方の上に、国の上に、あなたの聖なる統治を真理と誠実のうちに進めようと励んできた者は、どのようにしてあなたのようになれるのか。偉大な創造者、命の主よ。いつそうなれるのか、どのような行いに生きてそうなれるのかも、知りたいのだ。
第17節
魂にかかわるこれらの問いについて、どちらの信仰が大きいのか。真理に生きる者が信じるものか、それとも偽りに従う者が信じるものか。もう問いはやめよう。目覚めた者には、目覚めた者にだけ語らせよ。無知な者には、たとえ声高く叫んでも、これ以上私たちを欺かせてはならない。アフラ・マズダーよ、あなた自身が、善き思いをあますところなく示す方として、私たちに真実を告げてほしい。
第18節
集まった人々よ、あなたたちの誰ひとり、あの罪人の唱える言葉と命令に耳を貸してはならない。あの無知な者は、家を、村を、地方を、国を、破滅と死へ引き渡すのだから。耳を貸さず、武器を取れ。そして彼らをことごとく、大斧で討ち払え。
第19節
人々には、二つの世界のために真理を思い描いた方、すべてを知る方にこそ聞き従わせてほしい、アフラよ。その方は真実の言葉のために、言葉の上に揺るがぬ力をもって君臨し、その舌はいつも自由に語って、私たちの行く道を導く。あなたの輝く炎によって、その方は導くのだ。裁きと恵みのしるしを帯びたその炎は、争い戦う者たちの善のために送られている。
第20節
だが、真理に生きる者を欺く者には、のちの滅びが待っている。闇の中の長い命がその定めとなり、食べものは汚れ、語る言葉は最も卑しいものとなる。悪しき者たちよ、それはあなたたち自身の生そのままの命だ。ゆがんだ良心が、あなたたち自身の行いを通して、あなたたちをそこへ連れて行くのである。
第21節
だがアフラ・マズダーは、真理の満ちるところで、あまねき健やかさと不死とを与える。聖なる人々の内なる統治のかしらとして、御自身からそれを与えるのだ。そして、霊においても行いにおいてもその友であり、信仰をもって誓いを果たす者には、善き思いの力強い勢いをも与えるのである。
第22節
惑わす者に目をくらまされることなく、おのれの心で見分ける賢い者には、これらのことは明らかである。その人は、あなたの善き思いと聖なる統治とともに、言葉においても行いにおいても真理に従う。アフラ・マズダーよ、そのような人こそ、あなたにとって最も頼もしく、力強い存在となるのだ。あらゆる力を尽くして仕えるのだから。
0517
ヤスナ32 偽りの神々との対決
第1節
あの者の一族の長も、村で働く者たちも、親しい盟友も、ともにダエーワを拝む者たちも、こぞって祈るだろう。だが私の心にあるのは、偉大な創造主にして生ける主、アフラ・マズダーとの友情である。アフラよ、私たちがあなたの使者となれますように。あなたを憎み、あなたに背く者たちを、押しとどめることができますように。
第2節
彼らに向かって、アフラ・マズダーは答えた。人の内なる善き思いによって治める方は、その統治の座から、輝く真理ゆえに私たちの善き友として、こう告げた。私たちはあなたがたの善く豊かな敬虔を受け入れ、これを選んだ。敬虔は私たちのものである、と。
第3節
だがダエーワたちよ、おまえたちはみな、悪しき思いから生まれた種である。おまえたちを最も熱心に拝む者もまた、偽りと倒錯の子である。おまえたちの欺きは先へ先へと広がり、それによっておまえたちは七つに分かれた大地に名を知られているのだ。
第4節
おまえたちは人の思いを惑わせる。惑わされた人々は最悪の行いをなし、それをダエーワたちに愛されることだと言い立てる。彼らは善き思いに見捨てられ、創造主である生ける主マズダーの知恵からも、その真理からも、遠く迷い出ている。
第5節
こうしておまえたちは、人間から地上の幸福な生と彼方の不死とをだまし取ろうとする。悪しき霊が、悪しき思いをもっておまえたちを支配しているからだ。そうだ、ダエーワの側に立つおまえたちを彼は支配し、悪しき言葉で行動へと駆り立てる。支配者が偽りに従う者たちを意のままに動かすように。
第6節
罪に満ちたあの指導者は、私たちを滅ぼそうと望み、それによって名を上げ、その教えは言い広められている。だがそれが彼らの姿だとしても、アフラよ、あなたは真の教えをすべて心に留めて知っておられる。私はあなたの王国と真理のうちに、あなたの掟を打ち立てよう。
第7節
このあわれな者たちのうち、誰ひとり知らない。勝利の証と言い立てられたものが、実は打ち砕かれるために束ねられていることを。輝く鉄の刃によって彼が名を上げた、まさにそのものの行く末を。しかしそれらがことごとく滅びることを、アフラ・マズダーよ、あなたは誰よりも確かに知っておられる。
第8節
このあわれな者たちの一人に数えられたのが、ヴィーヴァフヴァントの子イマである。人々を満足させようとして、牛の肉を切り分けて食べさせたあのイマだ。だがアフラ・マズダーよ、あなたの見分ける眼の前で、私はそのような者たちとは別の者である。
第9節
悪しき教師である彼は、私たちの教えを壊し、その教説によって生の正しい理解をゆがめ、私から財産を、すなわち善き思いという選び抜かれたまことの富を奪い取ろうとする。それゆえアフラ・マズダーよ、あなたと真理とに向かって、私は魂の声をあげて叫ぶ。
第10節
そうだ、この男は私の教えを壊す者である。生きてあるもののうち最も尊いものをそしり、目に見えるもののうち牛と太陽こそ最悪だと言い放つ。彼は偽りに従う者たちの供物を捧げ、ついには私たちの牧草地を旱魃で干上がらせ、真理に生きる者へ棍棒を振り下ろすだろう。
第11節
そうだ、この者たちは私の生を滅ぼそうとする。偽りに従う者たちの有力者と謀り合い、家の主からも主婦からも、受け継がれた財産を奪い取る。あわれな者たちだ。彼らは、真理に生きる者のよりよい思いに逆らって、私の同胞を激しく傷つけようとするのである。
第12節
最も聖なる行いに背を向けて教えを言い広める者たちに向かって、マズダーは告げられた。悪しき者たちよ、と。彼らは祝福の言葉を唱えながら牛の命を屠り、真理よりもグレヘマとカルパンたちを愛し、偽りを望む者たちの王座を選んだ者たちである。
第13節
グレヘマは、生を滅ぼす最も悪しき思いの住処に築かれた悪しき王国の力によって、それらを手に入れようとする。そしてマズダーよ、彼らはあなたの預言者に託された使信をねたみ、喜びを装いつつ嘆きの声をあげる。だがその使者は、彼らを真理を見る場から遠く退けるだろう。
第14節
グレヘマは彼のもの、まさに彼の側の者である。彼はあなたに逆らって、カヴィたちとその企みを据えつける。彼らの力ある業も欺きにすぎない。彼らは偽りに従う者たちの助けとして来たのであり、死を遠ざける恵みの火を焚くその者こそ牛を打ち倒すために立てられたのだと、偽って言い立てられてきたからである。
第15節
それゆえ私は、カルパンたちとカヴィたちの弟子どもをここから追い払う。そして彼らが追い払われたのち、いまは生をほしいままに治めることを妨げられている私の助け手たち、真理に生きるその人々は、ついには不死なる二柱、健やかさと不死とに担われて、善き思いの住まいへと運ばれるだろう。
第16節
そして真理に生きる者へのこの報いのすべては、敬虔な者の広やかな光の中で教える、あの最も善き方から来る。至高の支配者マズダー・アフラよ、私の苦しみも迷いも、あなたの力の内にある。私が、偽りに従う者どもを打つために求められる者として人々を立てるとき、私はそれを、わが口の言葉によってなし遂げよう。
0617
ヤスナ33 わが身を捧げる祈り
第1節
太初の世界の法にかなうとおりに、私たちの導き手は行うだろう。牛が請い求め、主がザラスシュトラと名指したその導き手は、偽りに従う者にも、真理に生きる者にも、そして偽りの行いと正しい行いが半ばする者にも、このうえなく公正な裁きの業をなすのである。
第2節
言葉によって、思いによって、あるいは両の手を尽くして偽りに従う者に立ち向かう者も、人をその善のために諭す者も、みな自らの信じるところに贈り物を捧げているのであり、それはアフラ・マズダーの愛にかなうことである。
第3節
アフラよ、真理に生きる者へ最善を尽くす人が、一族の者であれ、村で働く者であれ、盟友であれ、悟りの光を宿し、牛を養う力に恵まれて、真理の働きの場に、あなたの善き思いの牧草地に、私たちのために立ちますように。
第4節
私は、あなたの言葉に聞き従わない心を、いっさい捨て去る。悪しき思いも、一族の長のおごりも、人々に最も入り込みやすい偽りの罪も、盟友を責める虚言も、そして牛の牧草地をないがしろにする怠りも、みな捨て去る。
第5節
その私は、助け手のうち最も偉大なもの、あなたの聞き従う心を、私たちの救いのために切に呼び求める。そうして善き思いの統治のうちに長い命を得て、真理から発するまっすぐな道を、アフラ・マズダーの住まうその道を、歩みたいのである。
第6節
あなたに忠実な祭司として、真理によってあなたを呼ぶ私は、最も善き霊から、最も善き思いをもって知ろうと求める。田畑の営みについて、その霊自らが何をよしとされたのかを。それゆえマズダーよ、あなたにまみえることを、あなたと語り合うことを、私は願い求める。
第7節
マズダーよ、来てほしい。私に最も近しい、私自身のものであるこの者たちのもとに来てほしい。そして真理と善き思いを通して、務めに豊かに捧げる者の前で私の声がどう聞き届けられるかを、彼らに見せてほしい。そうだ、来て、数々の礼拝の供物が私たちの間に現れ出ますように。
第8節
来て、私たちの信仰がめざすべきものを示してほしい。私が善き思いをもってそこへ進み、成し遂げられるように。マズダーよ、あなたがたに向けた捧げものを、真理とともに捧げる賛美の言葉を、果たせるように。そしてあなたがたからの賜物として、変わることのない不死と健やかさを与えてほしい。
第9節
マズダーよ、聖なる真理を栄えさせる二人の導き手の霊を、あなたのもとへ運ばせてほしい。深い洞察と、よりよい思いとともに、あなたの輝く住まいへと運ばせてほしい。そうだ、魂と魂が手を取り合って進む人々の先頭に立つ者たちを支える力として、その霊を運ばせてほしい。
第10節
過去に人々が味わい、いま味わっており、これからも知られるであろう、あらゆる幸いな生のかたちを、あなたの愛によって私に与えてほしい。そして私たちの体を、一人ひとりの生を、善き思いと統治と真理によって、救いの祝福で満たしてほしい。
第11節
最も恵み深いアフラ・マズダーよ、敬虔よ、人の暮らしを栄えさせる真理よ、善き思いよ、統治よ、みな私に耳を傾けてほしい。そして私のなすすべての行いに、あわれみを垂れてほしい。
第12節
アフラよ、あなた自ら立ち上がり、私のもとへ来てほしい。最も豊かな聖なる霊マズダーよ、まことの呼びかけと捧げものに応え、敬虔を通して私に力を与えてほしい。真理のゆえに強い力を、そして善き思いを通して、暮らしを立てるあなたの掟を授けてほしい。
第13節
立ち上がり、広やかな眼で見わたす恵みのために、アフラよ、あなたの本性を私に示してほしい。あなたの王国の力を、そしてそれらがもたらす善き思いの祝福の賜物を示してほしい。聖なる敬虔よ、真理を通して、信仰のまことを明らかにしてほしい。
第14節
こうしてザラスシュトラは、自らの体の命そのものを捧げものとして差し出す。マズダーよ、彼はまた、真理に生きることで得た善き思いの誉れを捧げ、行いと言葉における聞き従う心を捧げ、これらとともに、あなたの打ち立てた統治に自らを捧げるのである。
0717
ヤスナ34 感謝の捧げ物
第1節
マズダーよ、あなたは行いと言葉と祭りを通して、ここにいるあなたの僕たちに、不死と、真理と、健やかさをもたらす統治を与えてくれた。アフラよ、その返礼として、私たちは持てるもののうち最上のものを、あなたに捧げる。
第2節
そうだ、聖なる霊のすべての賜物は、惜しみなく与える人の思いと行いによって、感謝とともにあなたへ返される。その人の魂は、共同体の中で真理と手を取り合って歩む。マズダーよ、あなたのような方への礼拝と、感謝して讃える者たちの歌とともに。
第3節
アフラよ、私たちはへりくだった讃美とともに、感謝の供物をあなたに捧げる。あなたの真理に、そして善き思いが守る、あなたの統治のうちにあるすべての共同体のために。マズダーよ、正しく行う人が完全に整えられるとき、その供え物は力を持ち、あなたがたにふさわしい方々のあいだで祝福となる。
第4節
アフラよ、私たちはまた、あなたの火を求めて祈る。真理によって強く、この上なく速く、力に満ちた火を。それは喜んで迎える家にとって、数々の不思議なかたちで助けとなる。だがマズダーよ、憎む者にとっては、手から放たれた武器のような、揺るがぬ打撃となる。
第5節
あなたがたの統治とは何か。あなたがたの富とは何か。真理と善き思いとともに、行いにおいてあなたがたのものとなり、苦しむあなたの貧しい者たちを養うために、私は問う。私たちは告げ知らせる。あなたがたはすべてのものから、ダエーワたちからも、害獣に汚れた人間たちからも、はっきり隔たった方なのだと。
第6節
マズダーよ、あなたがたが真理と善き思いとともに、まことに在るのなら、この世の生が続くかぎり、そのしるしを私に与えてほしい。祭りを捧げ、あなたがたをいっそう深く讃えながら、あなたがたに近づいていけるように。
第7節
マズダーよ、あなたに捧げる者たち、あなたの助け手たちはどこにいるのか。善き思いに照らされ、広い心の光をもって教えを受け継ぐ宝とし、不運と苦難のただ中でそれをあなたの言葉として伝える者たちは。私にはあなたがたのほかに誰もいない。だから、あなたがたの真理によって私たちを救ってほしい。
第8節
私たちのこれらの行いによって、彼らは恐れおののく。かつて多くの命に滅びをもたらした者たち、聖なる誓いを迫害する者が強者として弱い者を虐げていたときの、あの者たちは。あなたの真理にかなう思いを持たなかった者たちから、あなたの善き思いは遠く離れて留まる。
第9節
そうだ、マズダーよ、すべてを知る方よ。あなたが慈しむ恵み豊かな敬虔を捨てる者たち、悪をなす者のゆえに敬虔を見捨て、善き思いを知らずにいる者たち。そのような者たちから、敬虔はその聖さとともに、跡形もなく去っていく。命を損ない汚す赤い害獣どもが、私たちのもとから逃げ去るように。
第10節
慈しみ深い知恵の方は、私たちのうちに働く善き思いの実りとして、その行き着く先を告げた。その方は、恵み豊かな敬虔が、真理に生きる者たちを生み出す母であることを知っている。マズダー・アフラよ、これらすべてはあなたの統治のうちにあって、私たちを前へ進める支えとなる。虐げる者たちを恐れで打つのだから。
第11節
そしてあなたのために、敬虔は健やかさと不死のふたつを増し加えた。善き思いの統治のうちに堅く据えられた真理とともに。力に満ち、絶えることのないこのふたつを、敬虔は私たちを養う糧として増やした。マズダーよ、これらによってあなたは憎しみを退け、敵を遠くへ払いのける。
第12節
それでは、あなたの定めとは何か。あなたは何を望むのか。どのような讃美を、どのような供えを望むのか。マズダーよ、私たちに聞こえるように語ってほしい。あなたの定めに約束された祝福の報いを、何が確かなものとするのかを。そして真理の道を教えてほしい。あなたの聖なる者たちのうちに生きる善き思いが、確かに歩んだその道を。
第13節
アフラよ、あなたが善き思いの道として私に示すその道は、救い手たちの教えと定めから成り立っている。そこでは善を行う者が真理によって栄える。その道は善き人々への報いを指し示し、その報いの与え主はあなた自身なのだ。
第14節
マズダーよ、その報いこそ、あなたがたが善き思いの行いを通して、この身体の生のために選ぶべきものとして与えたものだ。母なる牛の労苦のために働く者たちは、知恵ある働きによって、またあなたの真理の言葉に教えられて、あなたがたの慈しみ深い心づかいを推し進める。
第15節
そうだ、マズダーよ、最も善きことを私に告げてほしい。最も善き言葉と最も善き行いを、そして私たちのうちに生きる善き思いと真理を通して捧げる、讃える者の信仰の祈りを示してほしい、アフラよ。そしてあなたがたの統治の力と恵みによって、命ある世界を、完成に向けてまことに新しくしてほしい。
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ヤスナ43 幸いあれの歌
第1節
救いあれ、この人に。救いあれ、それが誰であろうとも。すべてを意のままに治める偉大な造り主、命の主が、尽きることのないふたつの力を与えてくださるように。アフラよ、真理を守り抜くために、私はまことにそれをあなたに願う。そして敬虔よ、あなたも私に与えてほしい。輝きと、聖なる祝福と、善き思いの命を。
第2節
そうだ、この人に、輝きを授かった人が、すべてのうちで最も善きもの、霊の輝きを与えるように。マズダーよ、あなたもまた、この上なく恵み深いあなたの霊を通して、あなた自身の賜物を現してほしい。真理によって私たちに啓かれた、善き思いの不思議な知恵を教えてほしい。喜びの増し加わりとともに、長い生涯の一日一日に。
第3節
そして、その人が、善きものよりさらに善きものへたどり着くように。私たちに、恵みへのまっすぐな道を示してくれる人。この身体の生と心の生とに祝福をもたらす道、アフラが住まう、まことに実在する世界へ通じる道を。マズダーよ、その人はあなたに捧げる者、忠実な民、惜しみない心の持ち主だ。
第4節
そうだ、アフラ・マズダーよ、私はあなたを力ある方、恵み深い方と仰ぐ。あなたが手ずから守り育てた恵みの助けが、偽りに従う者への正しい報いとして、また真理に生きる者への助けとして、私のもとへ近づくのを見るとき。真理によって強いあなたの火の炎とともに、善き思いの力が私に訪れるとき。
第5節
マズダーよ、偉大な与え主よ、私はあなたを恵み深い方だと悟った。命の始まりにおいて、あなたが最も高くいますのを見たとき。行いと言葉に報いを定め、悪しき者には災いを、善き者には幸いな祝福を、あなたがその力によって据えたとき。造られた世界が最後に転じるそのときに、それぞれへ裁き分けられるように。
第6節
その最後の転換のとき、アフラ・マズダーよ、あなたは聖なる霊と統治の力とともに来る。あなたの行いによって、共同体は真理を通して栄える。そして私たちのうちなる敬虔が、人々に救いの定めを告げ知らせる。誰ひとり欺くことのできない、あなたの知恵の律法を。
第7節
そうだ、マズダーよ、偉大な与え主よ、私はあなたを恵み深い方だと悟った。あなたの使いである聞き従う心が私に近づき、こう尋ねたとき。「あなたは誰か。誰に属する者か。今日、あなたの土地とあなた自身について、この問いに光を当てるしるしを、どのように示そうか。」
第8節
そこで私は、まずこう答えた。「私はザラスシュトラ。偽りに従う者には、できることなら、まことに強い懲らしめ手でありたい。だが真理に生きる者には、力強い助けと喜びでありたい。マズダーよ、あなたを讃え、歌を編むことができるかぎり、あなたの統治の備えのために、その到来を望みながら、この身を捧げるのだから。」
第9節
そうだ、アフラ・マズダーよ、私はあなたを恵み深い方だと悟った。あなたの使いが善き思いとともに私に近づき、こう尋ねたとき。「あなたは何を得ようと望み、何を知ろうと望むのか。」そこで私は、あなたの火への讃美と聖さの捧げ物を望んだ。力の続くかぎり、私はその捧げ物を思い続け、あなたの民のあいだでその聖なる力のために心を尽くそう。
第10節
そしてあなたは、私のうちに真理を与えてほしい。私は敬虔と祈りを合わせ、心の完全な備えを切に呼び求めるのだから。私たちがあなたに尋ねようとする問いを、あなた自身が問うてほしい。あなたが促す問いは、力ある者の問いだからだ。あなたのもとで治める者が、力ある願いを語るときのように。
第11節
そうだ、アフラ・マズダーよ、私はあなたを恵み深い方だと悟った。あなたの使いが善き思いとともに私に近づき、あなたがたの言葉を私が初めて魂に刻んだとき。あなたに心を捧げたその者は、人々のあいだでの苦難が私の受け分になると告げた。それでも私は、あなたが最善だと言ったことを行おう。
第12節
あなたはこうして来て、真理の定めを余すところなく語った。だから、まだ聞いたことのない言葉を告げて、私を送り出さないでほしい。あなたの聞き従う心が私のもとへ来て、聖なる報いと大いなる輝きとともに、手を取り合って歩んでくれるまでは。争いあう両者に、恵みとして、確かさと平安という霊の賜物を分かち与えるために。
第13節
こうして私は、アフラ・マズダーよ、あなたを恵み深い方だと悟った。聞き従う心が善き思いとともに私に近づいたとき。人々に、その願いのまことの聖なる目当てを知らせるために、私に長い命を与えてほしい。誰も力ずくであなたがたから奪い取れないその恵み、あなたの統治のうちにあると告げられた、望みの境地という賜物を。
第14節
そうだ、偉大な造り主よ、教えに通じ、富を持つ人がその友に与えるように、あなたも私に、喜びと満ちあふれる恵みを与えてほしい。あなたの統治の力により、真理のために私が立ち上がり、あなたの告げ知らせを担う長たちを呼び覚ましに出て行くとき。よく心に刻んだあなたの聖なる言葉を唱える、すべての者たちとともに。
第15節
そうだ、アフラ・マズダーよ、私はあなたを恵み深い方だと悟った。あなたの聞き従う心が、善き思いの恵みとともに私に近づき、こう告げたとき。「静かに長く耐える、よりすぐれた心が、悟りをもって教えるようにせよ。先に立つ者は、助けを求めて偽りに従う者に取り入ってはならない。」その静かな信の心によって、あなたの聖なる者たちは、多くの罪ある者をあなたのもとへ導いてきたのだから。
第16節
こうして、アフラ・マズダーよ、このザラスシュトラは聖なる霊を選び取る。そして最も恵み深い人は皆、彼とともに祈る。真理が命の力に満ち、体を備えたものとなるように。太陽のように輝くその統治のうちに、敬虔がともにあるように。そして敬虔が、内に住まう善き思いを通して、行いの報いとして私たちに祝福を与えるように。
0917
ヤスナ44 アフラへの問い
第1節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。賛美を捧げるとき、あなたのような方への賛美を、どうすれば全うできるのか、マズダーよ。あなたのような方が、私のような友にそれを告げてほしい。そうして真理を通じて私たちに親しい助けが与えられ、あなたのような方が、善き思いを通じて私たちのそばへ近づいてくださるように。
第2節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。最も善き世界の第一の方に、どうすればその心にかなうように仕えられるのか。恵みを与え、感謝の応えを求めるその主に、どう仕えればよいのか。その方は真理を通じて恵み深く、すべての者から滅びを遠ざける。二つの世界の守り手であり、友である、霊なるマズダーよ。
第3節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。誰が、生むことによって真理の最初の父となったのか。誰が太陽と星々に、その定まった道を与えたのか。月が満ち、また欠けるのは、あなたのほかの誰の定めによるのか。偉大な創造者よ、私はこれらのことを知りたい。そして、さらに多くのことを。
第4節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。誰が大地を下から支え、空の雲が落ちてこないように保っているのか。誰が水と草木を造ったのか。誰が風に嵐の雲をつなぎ、あの速い二つのものを走らせるのか。偉大な創造者よ、私たちの内に善き思いを呼び起こすのは、誰なのか。
第5節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。誰が、巧みな職人のように光と闇を造ったのか。誰が、同じ巧みさで眠りと目覚めの張り合いを造ったのか。誰が朝焼けと真昼と真夜中を広げ、思慮ある者に務めの時を告げる、確かな導き手としたのか。
第6節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。これから私が語ることは、本当にその通りなのか。私たちの抱く敬虔は、行いのうちに真理の秩序を本当に育てるのか。敬虔は善き思いを通じて、あなたに真実に仕える者たちに統治を与えるのか。喜びをもたらす母牛を、あなたは誰のために造ったのか。
第7節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。誰が、慕わしい敬虔を、あなたの統治とともに形づくったのか。誰が、その導きの知恵によって、子が父を敬うようにしたのか。私はこうした問いを重ねて、あなたに迫る。マズダーよ、聖なる霊よ、あなたこそ万物の造り主なのだ。
第8節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。あなたの啓示と、私たちの内なる善き思いがあなたに尋ねた言葉と、真理を通じてこの命の完成に至る道とを、私が深く思いめぐらすことができるように。私の魂は、どうすれば喜びのうちに善へと育っていけるのか。どうか、その通りになるように。
第9節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。どうすれば私は、あなたの民の良心を、わがものとして清めることができるのか。それは恵みある王国の主が私に教えたもの、あなたと等しいと呼ばれるその方が、高く正しい統治の力によって教えた諭しである。その方は、真理と善き思いとともに、同じ住まいに住んでいるのだ。
第10節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。すべてのもののうちで最も善い、あの聖なる良心を教えてほしい。それはあなたの民と手を携えて進み、真理によって私の土地を栄えさせ、敬虔の言葉を通じて行いを正しくする。私の思いが抱く願いは、アフラよ、あなたを求め続けるだろう。
第11節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。あなたの良心が語り告げられる人々のもとへ、敬虔はどのようにして近づいていくのか。あなたの僕の第一の者として知られる私が、これを教えてほしいと願う。ほかのすべての神々とそれに仕える者たちを、私は魂の憎しみをもって見ているのだ。
第12節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。私がいま尋ねているこの事柄について、真理に生きる者は誰で、悪しき者は誰なのか。偽りに従う者はどちらなのか。それとも、あの者自身が悪の頭なのか。あなたの恵みを妨げて私に立ちはだかる卑しい者が、その実のとおりに罪人と見なされないのは、なぜなのか。
第13節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。どうすれば私は、この偽りを私たちのもとから追い払い、下にいる反逆に満ちた者たちのところへ追いやれるのか。彼らは真理に生きる者たちから光を受けることなく、善き思いが魂に投げかける問いを、愛したこともないのだ。
第14節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。どうすれば私は、偽りを真理の両手に引き渡せるのか。あなたの教えの聖なる言葉によって偽りを打ち倒し、偽りを信じる悪しき者たちに大いなる滅びを送り、あの欺きに満ちた過酷な迫害者たちが、その狙いを遂げないようにするために。
第15節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。あなたが真理を通じて私を守る力を持っているのなら、あなたが守り抜こうとする誓いをめぐって二つの軍勢が憎しみのうちにぶつかるとき、マズダーよ、あなたはどのようにして、どちらに勝利を与えるのか。
第16節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。あなたの教えのもとで、生きるすべての者を守るために勝利の一撃を振るうのは、誰なのか。二つの命のために救いの力を持つ主を、はっきりと示してほしい。そして聞き従う心が、善き思いとともにその導き手のもとへ、マズダーよ、あなたが来てほしいと望むその人のもとへ、近づいていくように。
第17節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。マズダーよ、どうすれば私は、あなたがたとの大いなる語らいの場へ、あなたがた自身の成就の時へと進み出られるのか。そのとき、口にした私の願いはかなえられ、私は健やかさと不死とに支えられた導き手となり、真理を通じて道をあまねく導く聖なる言葉とともに歩むだろう。
第18節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。どうすれば私は、真理の報酬である、種馬を連れた十頭の雌馬と一頭のラクダを受け取れるのか。健やかさと不死のために、あなたがこの二つの恵みをどのように与えるのか、それは私に告げられていたことなのだ。
第19節
これをあなたに尋ねる、答えてほしい、アフラよ。この報酬を、受けるに値する者に、真実を語るその人に与えない者には、まず初めにどのような裁きが下るのか。最後にその者を待つ運命なら、私はすでによく知っている。
第20節
ダエーワに仕える者たちが、良き王として国を治めたことが、かつてあっただろうか。これを私はあなたに尋ねる、マズダーよ。彼らのもとでカルパンたちとウシグたちは牛を略奪に引き渡し、カヴィたちは力を頼んで栄え続けた。彼らは真理のために、牛のいる野へ水を引き、その育ちを助けることさえ、しなかったのだ。
1017
ヤスナ45 二つの霊の宣言
第1節
さあ、私は語ろう。聞け、耳を傾けよ。近くから、また遠くから教えを求めて集まった者たちよ。いま語られることのすべてを、はっきりと心に刻むがよい。偽りの教師が、私たちの命を二度と損なうことはない。偽りに従う者は、その信条もろとも舌を封じられたのだ。
第2節
私は、この世の始まりにある二つの霊を告げよう。その聖なる霊は、害なす霊にこう語った。私たちは、思いも、教えも、判断も、信条も、行いも、良心も、魂も、何ひとつ重なり合うことがない、と。
第3節
私は、この世の最初の教えを告げよう。すべてを知るアフラ・マズダーが、私に語ったものだ。私がいま心に抱き、語るとおりにこの聖なる言葉を行わず、従わない者たち。その者たちには、人生の終わりが苦しみとなって訪れる。
第4節
私は、この世で最も善なる方を告げよう。これらすべてを定めたマズダーは、真理によって、みずからの語ることの確かさを知っている。その方は、私たちの内で働く善き思いの父であり、善い行いとなって現れる敬虔は、その娘である。すべてを見とおす主は、決して欺かれない。
第5節
私は、最も恵み深い方が語った言葉を告げよう。死すべき人間が心に留めるべき、最上の言葉である。この言葉に聞き従う心で耳を傾ける者。その人のもとには健やかさと不死が祝福として訪れ、善き思いの行いのうちに、主みずからが訪れる。
第6節
私は、すべての中で最も偉大な方を告げよう。正しく行う者として、真理をとおして、すべてを正しく治める方々を讃える。アフラ・マズダーが、その聖なる霊をもって聞いてくださるように。善き思いによる礼拝のうちに、私の願いは捧げられた。その最上の知恵によって、私を導いてくださるように。
第7節
その方の恵みを、いま生きる者も、かつて生きた者も、これから生まれる者も求める。真理に生きる者の魂は、永遠の不死のうちにそれを願う。だが同じ定めは、偽りに従う者には苦しみとなる。すべての造り主アフラ・マズダーが、その統治によってこれらを打ち立てたのだ。
第8節
礼拝と讃美の歌をもって、私は真心からその方に仕えたい。いま、私はこの目ではっきりとその方を見たからだ。善き霊と言葉と行いの主、アフラ・マズダーであるその方を、私は内なる真理によって知った。そして私たちは、歌の家においても、その方への讃美を捧げるだろう。
第9節
私たちは、善き思いをもってその方を敬いたい。その方は善を望み、幸いのときにも悲しみのときにも、私たちのもとへ来てくださる。アフラ・マズダーが、その統治の力によって私たちを強くし、家畜と人びとの営みを栄えさせてくださるように。真理によって私たちの内に生まれる、善き思いの確かな支えによって。
第10節
敬虔の礼拝のうちに、私たちは讃美をもってその方をあがめたい。揺るがぬ力によって、まことに主アフラ・マズダーとうたわれてきた方である。その方はみずからの統治のうちに、真理と善き思いをとおして、健やかさと不死を定めた。永遠にして力強いこの二つの恵みを、私たちの地に授けるために。
第11節
私たちは、その方を大いなる方として讃えよう。ダエーワの神々と、それに与する者たちを退けた方である。彼らはかつて、その方を嘲っていた。その方を敬う者は、彼らとはまったく別の道にある。敬う者は救い手の恵み深い良心によって生き、私たちの友となり、兄弟となり、父ともなる。主マズダーよ。
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ヤスナ46 いずこの地へ
第1節
どの地へ逃れればよいのか。どこへ向かって行けばよいのか。一族の長も、盟友も、私を受け入れて助けようとはしない。働く民の群れも応えず、まして国を握る悪しき支配者たちは言うまでもない。主よ、それなら私はどうすれば、あなたの心にかなうことができるのか。
第2節
マズダーよ、私は知っている。なぜ願いがかなわないのか。なぜ私の家畜はこれほど減り、従う者はこれほど少ないのか。だからあなたに叫ぶ。主よ、これを見てほしい。友が友に与えるような、助けの恵みを私は求めている。善き思いの富とは何かを、私に示し、教えてほしい。
第3節
大いなる与え主よ、夜明けを告げる者たちはいつ来るのか。世界の真理を支え、前へ押し進める者たちは。救い手たちの計らいと、その高い啓示はいつ現れるのか。あなたの善き思いをともに働く力とするその人は、誰のもとへ助けを求めて行くのか。命の主よ、私はあなたを、私を励まし命じる方として選ぶ。
第4節
だが悪しき者が、真理を担う者たちを押しとどめている。郷でも国でも、牛とともに歩む正しい営みを妨げている。悪しき力をまとったその悪しき支配者は、悪しき行いで命を食いつぶす。マズダーよ、だからこそ、その者を権力から、あるいは命そのものから引き落とす者は誰であれ、聖なる知恵によって、牛のための蓄えを築くことになる。
第5節
治める者として、訪れる者を誰ひとり害さない人。聖なる誓いと務めに忠実で、すべての約束に正しく生きる人。汚れのない裁き手として、偽りに従う者を見分ける人。その人こそ、教えを妨げるあの敵対する族長に、裁きを告げるがよい。そして、その者が害をなそうと打って出るとき、これを打ち砕くがよい。
第6節
力を持ちながら、そのように悪しき者へ立ち向かおうとしない人は、みずからが偽りの住みか、縛る者のもとへ行くことになる。悪しき者に最も親切な者は、それ自体が悪であり、真理に生きる者を友とする者は、聖なるものだからである。主よ、あなたがそのように、道徳の掟を定めたのだ。
第7節
マズダーよ、あの偽りに従う者が私を憎しみの的としていたとき、あなたは私に、どんな守り手を備えてくださっていたのか。あなたと、あなたの火と、善き思いのほかに、誰がいただろうか。アフラよ、その働きによってこそ、あなたの真理の統治は守られ、育てられる。だからその霊の力を私に授け、聖なる教えの真実を告げてほしい。
第8節
私の村里を害に引き渡す者。その者の燃える怒りの行いが、私に届かないように。その悪意はむしろ押し返され、怒りとなって本人の身に返るように。その体には、幸いを遠ざけるものが訪れるように。そして、悲惨から引き戻すどんな助けも、その者に近づかないように。主よ。
第9節
だが、進んで助けの手を差しのべ、あなたをどう敬えばよいかを最初に私に教えてくれる人は、どこにいるのか。聖にして恵み深いアフラよ、あなたはその行いのとおり、呼び求めるにふさわしい方である。牛の造り主が真理を支えるためにあなたへ語った言葉。その言葉を人びとは、善き思いとともに、いま私から学ぼうとしている。主マズダーよ。
第10節
マズダーよ、男であれ女であれ、あなたが最上と知る命の恵みを私に与えてくれる人。真理による聖なる祝福と、善き思いに支えられた統治をともにする人。そうした人びとを私は奮い立たせ、あなたがたをあがめる礼拝へと導こう。そしてついには、選別の橋まで、彼らみなとともに進んで行こう。
第11節
だがカルパンたちとカヴィたちは、権力と結び、悪しき行いによって人の命を滅ぼそうとしている。彼らはやがて、みずからの魂とみずからの良心に責め立てられる。そして選別の橋にさしかかるとき、道を失って落ち、偽りの住みかを永遠の宿とするのだ。
第12節
トゥーラの民の部族や一族の中から、力あるフリヤーナの一門の中からさえ、熱意をもって敬虔の営みを育てる者たちが立ち上がる。そのとき、アフラは善き思いによって彼らとともに住まい、喜ばしい恵みとして、みずからの教えを彼らに授けるだろう。
第13節
人びとの中で、スピターマ家のザラスシュトラに真心をもって応える人。その人は教えを告げ知らせるにふさわしく、アフラ・マズダーはその人に栄える命を与える。その人はまた、善き思いによって村里を栄えさせるだろう。だから私たちは、その人を、あなたがたの真理を支える善き伴侶と考える。
第14節
ザラスシュトラよ、この大いなる務めのために、聖なる友としてあなたを支える者は誰か。それを声に出して告げようとする者は誰か。――それは、勇敢な王ヴィーシュタースパである。そして、その人だけではない。アフラ・マズダーよ、あなたが集いのうちに迎える者たちすべてを、私は善き思いの言葉をもって呼び集めよう。
第15節
ハエチャトアスパの子ら、スピターマの一族よ。いま、あなたがたに語ろう。あなたがたは、なすべきことと、なすべきでないことを見分ける者たちである。その行いによって、主の始まりからの掟にかない、真理をみずからのうちに堅く打ち立てるがよい。
第16節
フヴォーグヴァ家のフラシャオシュトラよ。惜しみなく助ける人たちとともに行け。この地の救いとして私たちが祈り求める、その人たちとともに。敬虔が真理と手を取り合う場所へ。善き思いの待ち望まれた王国のある場所へ。マズダーがその最も誉れある住まいにおられる場所へ、行くがよい。
第17節
フヴォーグヴァ家のジャーマースパよ。そこで私は、乱れた言葉ではなく、整った韻律にのせて讃美を高らかに告げよう。捧げもののうちに聞き従う心を保ちながら、礼拝の歌を編もう。正しいことと正しくないことを誤りなく見分ける方、マズダーに向かって、私はそれを歌う。その方は、真理の霊妙な思いをもって応えてくださる。
第18節
私に真心を捧げる人には、何であれ最上の贈りものが与えられる。私は魂の富を、善き思いをとおしてその人に分かち与えよう。だが、私たちを苦しみへ引き渡す圧迫者には、圧迫が返される。マズダーよ、私はあなたがたの望みに、真理によってかなうことを願っている。これが、私の分別と意志の定めた決断である。
第19節
真理に基づいて、私ザラスシュトラの切なる願いをかなえ、この務めを最も力強く助けてくれる人。その人には、この地上を超えた報いと、聖なる母牛のもたらすあらゆる心の祝福が与えられるだろう。マズダーよ、誰よりも賢い方よ。これらすべてを、あなたご自身が私に命じたのだ。
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ヤスナ47 聖なる霊の恵み
第1節
アフラ・マズダーは、選ばれた真理に生きる者に、二つの最も大きな贈り物、健やかさと不死を与えるだろう。聖なる霊により、善き思いをもって、言葉と行いにおける真理のゆえに、また敬虔のうちに据えられた統治の力によって。
第2節
この最も聖なる霊がもたらす最上のものを、マズダーは行いへと実らせる。善き思いの口と舌が語る言葉によって、また敬虔の両の手のわざによって。この恵みのゆえに、マズダーは真理の父なのである。
第3節
アフラ・マズダーよ、あなたこそ、この聖なる霊を自らのものとする恵み深い方である。あなたは、この霊の働く者のために、喜びをもたらす牛を造られた。そして主よ、牛のことがあなたの善き思いとの相談で図られたとき、あなたは牛のために敬虔の牧草の地を広げられたのである。
第4節
マズダーよ、その聖なる霊のゆえに、偽りに従う者は打たれて損なわれる。だが真理に生きる者はそうではない。乏しい者は、わずかしか持たずとも、真理に生きる者に真心から尽くす。だが富と力を持つ悪しき者は、多くのものをもって偽りに従う者に仕えるのである。
第5節
しかしアフラ・マズダーよ、あなたは聖なる霊を通して、真理に生きる者にこれらの贈り物を、すなわち最上のものすべてを与えるだろう。だが偽りに従う者は、あなたの愛から遠く離れて自分の分け前を味わう。悪しき思いの行いの中にとどまっているからである。
第6節
アフラ・マズダーよ、あなたはこれらすべてを、聖なる霊を通して与える。そしてあなたの火によって、争い合う二つの陣営への良き分配を行う。敬虔と真理が豊かに増し加わることを通して。その敬虔こそが、彼女を求めてやって来る多くの者たちを教え導くのだから。
1317
ヤスナ48 救い手を待ち望む
第1節
真理にかなう捧げものの行いによって、偽りの魔が打ち倒されるとき、そして欺きだと嘲られてきた約束が、不死の命においてまことになり、人間たちには恵みを、ダエーワたちには打撃をもたらすとき、主よ、そのとき、あなたへの讃美はいよいよ増し、人々への祝福もともに増し加わるだろう。
第2節
主よ、あなたは知っておられるのだから、教えてほしい。私に迫る戦いが来る前に。アフラよ、あなたの真理の擁護者は、ついに偽りに従う者を打ち倒すのだろうか。それはいつなのか。それが成し遂げられるなら、それこそが私たちの生の良き成就だと知られているのだから。
第3節
悟りを得た者にとって、恵み深いアフラが聖なる真理を通して告げる教えこそ、最上の教えである。あなたの名において、なお秘められた言葉を伝える者たちの教えもまた同じである。マズダーよ、あなたに似たその方は、あなたの善き思いの知恵に満たされているのだから。
第4節
マズダーよ、より善く、より聖なるものへと心を向けようとする者は、言葉と行いにおいて自らの良心に忠実に従わなければならない。その意志と願いは、自ら選んだ信仰と一致していなければならない。そうすれば、すべてを見分けるあなたの知恵に、ついにその者は深くあずかるだろう。
第5節
善き統治者たちが治めるように。悪しき統治者たちが私たちを支配することのないように。敬虔なる知恵よ、善き分別による行いをもってそれを成し、人々の心に、子孫のための最上の祝福を清めて授けてほしい。そして牛のためにあなたの労苦を注ぎ、私たちの生のために牛を栄えさせてほしい。
第6節
牛こそ、私たちに安らかな住まいを与えてくれる。あなたの善き思いを慕い求めて生きる私たちに、牛は絶えることのない力をも授ける。だからこそマズダーは、原初の命が生まれたとき、牛を養うために草木を茂らせたのである。アフラである方が。
第7節
略奪をこととする怒りの魔を打ち倒せ。妬みを打ち砕け。善き思いにとどまり、真理に従い、聖なる人の連なるあの砦を守り抜こうと願う者たちよ。アフラよ、私はその砦を、苦闘するあなたの僕のために、あなたの世界に据えよう。
第8節
あなたの聖なる統治を呼び寄せる祈りは、どのようなものか。私の魂のための、あなたの報いと祝福を求める祈りは。あなたの真理を広め守るために、公然と立つ助け手たちを、私はどのように探し求めればよいのか。聖なる霊の行いのうちに、この身は生き続けながら。
第9節
主よ、あなたが真理とともに、まことにすべてを治める力を持っておられるのかを、私はいつ、はっきりと知るのだろうか。私の嘆きも疑いも、あなたの御手のうちにあるのだから。あなたの救い手が、善き思いの不思議な恵みを正しく見いだし、それが私の喜びとなるように。そう、救い手が、報いの贈り物を自らのものとできると知るように。
第10節
マズダーよ、思いの完成に至った者たちは、いつ現れるのか。いつ彼らは、この汚れた酔いのぬかるみを追い払うのか。カルパンたちはその酔いを頼みに、怒りに燃えて私たちを押しつぶそうとし、諸国の暴君たちは、その力を借りて悪しき支配を続けているのだ。
第11節
私たちの敬虔が完成し、あなたの真理とともに現れるのは、いつなのか。安らかな住まいと、牛のための牧草とをたずさえて、敬虔が来るのはいつなのか。悪しき生と信仰の残忍な者たちから、誰が私たちに安らぎを与えてくれるのか。あなたの善き思いの聖なる知恵は、誰のもとに来るのだろうか。
第12節
その者たちこそ、国々の救い手となるだろう。彼らは善き思いの恵みによって、鋭い悟りを携えて手を取り合って進み、アフラよ、あなたの真理の助けのもと、あなたの命じるすべての行いを果たしてゆく。彼らこそ、憎しみに立ち向かう揺るがぬ者として立てられているのだから。
1417
ヤスナ49 逆境の中の祈り
第1節
ベンドヴァは、これまで絶えず私と争ってきた。あの者は力において最も強大で、真理への熱意によって離れた人々を取り戻そうとする私の力を、押しつぶそうとしている。マズダーよ、善き報いの贈り物をもって、私の悲しみに応えるために来てほしい。あなたの善き思いによって、あの者の滅びをもたらしてほしい。
第2節
ベンドヴァに仕える悪しき裁き手が、私を立ち止まらせ、思い惑わせる。あの者は人を欺き、真理から離れ去り、真理から受け取るのは幸いではなく多くの傷である。恵み豊かな完全な敬虔を、この地のために保つことも強めることもせず、あなたの善き思いに問いかけて教えを求めることもしなかった。主よ。
第3節
けれども、私たちが選び取ったこの信仰のためには、マズダーよ、祝福に満ちたあなたの真理が、私たちを救い祝福するものとして据えられている。一方、あの悪しき裁き手には偽りが据えられ、その身に傷を負わせるだろう。だから私は、あなたの善き思いによる守りの導きをいっそう祈り求める。そして、偽りに従う者に味方するすべての者を、私は退ける。
第4節
悪しき企みと悪しき意志をもって、強奪の怒りと、それに連なる残虐とを、その舌によってあおり育てる者たち。善き行いではなく悪しき行いを望む者たち。彼らこそダエーワたちを据え、支えている。それが、偽りに従う者の良心のありようである。
第5節
けれどもマズダーよ、善き思いの力とともに良心を守り抜く者こそ、私たちの豊かさであり、実りである。敬虔に生きる人は誰でも、真理にかなう賢い民である。あなたの統治のうちにあるすべての者もまた、そうである。主よ。
第6節
いま私は、マズダーよ、あなたと真理とに願い求める。あなたがたの意志のうちにある思いを、私に語ってほしい。それを正しく見分けて、あなたがた自身のものである清らかな良心と、その教えとを、どのように人々へ告げ広めればよいかを知るために。主よ。
第7節
アフラ・マズダーよ、この言葉を、熱心な民が善き思いとともに心に留めるように。真理に従って耳を傾けるように。そして、あなた自身も聞いてほしい。誰が盟友となるのか。誰が一族を率いる主となるのか。その贈り物と定めによって、仕える人々のためにふさわしい讃美を打ち立てるのは、誰なのか。
第8節
フラシャオシュトラに、あなたは最も恵み深い守りの力、真理を率いる長のつとめをお与えになった。アフラよ。私はその賜物が確かなものとなるよう祈り、あわせて私自身のためにも、あなたの統治のうちにある守りの長のつとめを求める。願わくは、私たち二人が、いつまでもその中で最も祝福され、先頭に立つ者であるように。
第9節
マズダーよ、助けと祝福をもたらすために育てられた、熱心で勤勉な耕作者が、私の呼びかけに耳を傾けるように。真実を語る者が、偽りに従う者とともにその守りの長の座に就くことが、決してないように。信じる心を持つ者だけが、あの最上の報いにあずかるように。こうして真理の道の上で、ジャーマースパと、勇者と呼ばれる者とは、すでに結ばれている。
第10節
それゆえ、私はあなたの守りのもとに委ねる。生きている者たちのうちにある善き思いを、そして死者たちの霊を。へりくだって捧げる私たちの讃美も、それによって敬虔が生きるところの讃美も、祭りに励む熱意も、あなたに委ねる。こうして私たちは、あなたの大いなる統治を、尽きることのない力とともに押し進めたいのである。
第11節
だが、悪しき支配者に仕え、悪しき言葉を語り、悪しき良心を抱く悪しき者たちを、先に死んだ悪しき者たちの魂が迎えに来る。その魂たちは、悪しき食べ物を携えて来るだろう。そして偽りの住まいこそが、彼らのすみかとなるのである。
第12節
あなたに呼びかけるザラスシュトラのために、あなたはどのような助けの恵みを、真理を通して備えているのか。善き思いを通して、この私には、どのような恵みが与えられるのか。大いなる造り主よ、私は讃美をもってあなたに祈り、あなたがたの望みにかなう最上のものを願い求める者である。
1517
ヤスナ50 魂の救いを問う
第1節
私の魂は、はたして助けの恵みを得られるのか。主よ、あなたの祝福のうち、どれが私への賜物なのか。家畜の群れを救う救い手は、どこに見いだされるのか。私自身を救うのは、あなたの真理と、アフラよ、あなた自身のほかに誰がいるのか。呼び求められる方々よ、私に告げてほしい。あなたの最も善き思いのほかに、私への恵みがどこにあるだろうか。
第2節
喜びをもたらす牛を、人はどのようにして求め得るのか。この地のために、牛が牧草地とともにあるのを見たいと望む者は、どのようにしてその願いをかなえるのか。太陽の輝きのもと、真理のうちに生きる土地を、そのように公明に生きる土地を、私が務めのために求めて勝ち取るべき土地を、どうか私に与えてほしい。この賜物を与えてほしい。
第3節
その喜びをもたらす牛が、真理を通し、あなたの統治の力にかなって、その人のものとなるように。敵の手にある畑にいちばん近い危うい土地を、あなたの祝福された繁栄の力で栄えさせる勇敢な開拓者こそ、この賜物をその人にもたらすのである。
第4節
だからこそ、アフラ・マズダーよ、私は讃美とともに、あなたがたに祭りを捧げる。あなたの真理と、最も善き思いと、聖なる統治の力とともに。その助けによって、天へ向かう者は確かな道の上に立つ。そして歌の家で、あなたの顔を仰いで捧げ物をする真理に生きる者たちの讃美を、私は聞くだろう。
第5節
アフラ・マズダーよ、私たちもまた、あなたがたの恵みにより、真理に従って、あなたがたを讃え、その言葉を告げる備えができている。あなたがたは、聖なる言葉を語る者を励まそうと、差し伸べられた手のように、目に見える助けをもって親しく近づいて来られるからである。その語り手は、私たちを幸いと安らぎのうちへ導き、住まわせてくれるだろう。
第6節
アフラ・マズダーよ、すでに聖なる言葉に声を上げているあの者、真理にかなう忠実な友、へりくだって礼拝し、この地に知恵を与え、声によって道を示す者、ザラスシュトラ。彼こそが、あなたの善き思いに従って、私の定めを告げ広め、教えるように。
第7節
アフラよ、よく奮い立ち、速く駆けるあなたがたの僕たちを、私は駿馬のようにつなぎ合わせよう。私たちの礼拝が満ちるあの橋へ、ついにたどり着くために。そうだ、私はあなたがたの力ある者たちを、あなたの真理と善き思いとともにつなぐ。彼らとともに駆けてほしい。どうか、私の助けとなってほしい。
第8節
マズダーよ、私は最も高い礼拝のわざをもって、あなたがたのもとへ進み出る。遠くまで聞こえ伝えられた、熱心な礼拝のあかしである聖なる歌の調べとともに、両手を差し伸べて祈りながら。あなたの聖なる真理と結ばれ、惜しみなく捧げる者の敬意と、善き思いの善き徳とともに、あなたがたに近づくのである。
第9節
そうだ、この祭りの讃歌とともに、私はあなたがたのもとへ進み出て、恵みに応える讃美を返す。アフラよ、そして真理よ。善き思いによる聖なる行いのうちにあって、私に力がある限り、この聖なるつとめと賜物を心のままに果たしながら。賢い人がそうであるように、私もまた、願いをかなえられる祈り手となれるように。
第10節
それゆえ、私がこれから行うすべてのこと、さらに重ねて行うすべての行い、そして善き思いによって人々の目に価値あるものとして輝く聖なるわざ。星々も、太陽も、日の光を連れて来る暁も、みな真理を通してあなたを讃えるように、それらもまた、あなたへの讃美を語るのである。大いなる与え主である主よ。
第11節
あなたがたを讃える者。私はそう呼ばれたい。いや、呼ばれるだけでなく、真理によって力を与えられている限り、実際にそうでありたい。世界を造られた方が、善き思いを通して助けを与えてくださるように。そして、その確かな恵みによって、この務めを最も前へ進めることが、すべて成し遂げられるように。
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ヤスナ51 善き統治を求めて
第1節
善き統治こそ、選び取るべき定めである。それは何にもまして幸いをもたらし、そこに満ちる真理と、仕える者たちの敬虔な熱意とによって、私たちを虐げる行いに立ち向かう。だから偉大な造り主よ、いつのときも、私たちにとって最善のその統治を、私が生み出し、到来させる助けとなれるようにしてほしい。
第2節
まず私は、あなたがたの持つ二つの恵みを願う。偉大な造り主よ、そしてあなた、その真理よ。さらにあなたにも願い求める、私たちの敬虔よ。願わしい富をつかさどるあなたの統治を私に与えてほしい。あわせて、善き思いを通してあなたへの礼拝を支える、霊の恵みをも。
第3節
こうしてあなたがたに呼びかけるのは、私ひとりではない。あなたの定めた行いに守られ、あなたの善き思いの舌から出る霊感の言葉に導かれる、すべての者の声である。その人々はみな、あなたがたに耳を傾けようと集まって来る。アフラ・マズダーよ、あなたこそ彼らの第一の導き手であり、光である。
第4節
人々はあなたに叫び、私も彼らの名において語る。約束された、私たちの営みと励みを守る主はどこにいるのか。憐れみを示すために、どこに立たれるのか。あなたの真理と、恵み豊かな敬虔とは、どこへ向かって近づいて来るのか。あなたの最善の思いは、どの方角から来るのか。偉大な造り主よ、私たちを治め守るあなたの統治は、どこから来るのか。
第5節
アフラよ、これをあなたに尋ねるのは、大地を耕す者である。彼はそのすべてをあなたに尋ねてきた。どうすれば牛をわがものとして得られるのかと探し求めながら。真理から流れ出る心に動かされ、行いにまっすぐで、へりくだった礼拝に賢い者として。正しい支配者として、造られた者たちのために正しい導き手を立てられた方を、彼は敬っているのだから。
第6節
その問いに答えて、いま真実を告げる。この善き者に、善よりさらに善いものを与える方、その信仰の選びに応じて恵む方こそ、私たちのアフラ・マズダーである。マズダーは聖なる権能によってそれを授ける。だが、その務めに何ひとつ捧げず、祭りを退ける者には、創造がその歩みの最後の折り返しを迎えるとき、悪よりさらに悪いものを送られる。
第7節
そのように恵んでくれるのなら、私にも与えてほしい。最も恵み深い聖なる霊マズダーよ、牛を、そしてその支えとなる水と草木を造られたあなたよ。不死と健やかさ、あの二つの永遠の力を。そして善き思いによって、霊感の言葉に示される教えとともに、それを与えてほしい。
第8節
その二つの賜物を得て、私はあなたのために語ろう。マズダーよ、分別ある者には告げるべきだからである。偽りに従う者には災いが、真理を守り抜いた者には救いがあることを。この聖なる言葉を賢い者に告げ知らせる者は、その行いのうちで、すでに喜びを受けている。
第9節
そして語るとき、私はあなたがたのために告げよう。あなたが争い合う両陣に授けられた、裁きへと至る鋭い判別を、あなたの燃え立つ火によって告げ知らせよう。鋼から鍛えられ、二つの世界のために造られた真理の剣が授けられることを。アフラ・マズダーよ、偽りに従う者を打つために、あなたのために報いをなす聖なる者を祝福し、栄えさせてほしい。
第10節
マズダーよ、この聖なる定めから離れ去り、私の命を滅ぼそうとする者は、偽りの造りの子であり、悪をなす者たちの一味である。だが私は真理を呼ぶ。私の助けに来てくれるように。あなたの善き祝福とともに、真理が来てくれるように。
第11節
大いなる集いに連なるあなたがたのことを、私は唇では主に語りかけながら、いま述べよう。アフラよ、スピターマ家のザラスシュトラにとって忠実な友は誰か。聖なる真理に、近づいて問いを求めた者は誰か。恵み深い敬虔を大切にしてきたのは誰か。あなたの善き思いの偉大な務めにふさわしい、正しい者と認められたのは誰か。
第12節
誰がふさわしいか、と私は問う。ザラスシュトラは幼い日から常にそうであった。みだらな誘惑者も、カヴィに従う者も、この地上の橋の上でその心を得ることは決してなかった。彼の身体が成熟し、二人が胸の汚れた力をもって急ぎ迫ったときにも。
第13節
そして正しい者は、まことの裁きの橋でも同じように勝つ。真理に生きる者の良心は、偽りに従う者の霊を必ず打ち砕く。その魂が、開かれた選別の橋の上で激しく荒れ狂うときに。彼はおのれの行いと、舌の呪いの言葉とによって、忠実な魂たちの至る真理の道を汚そうとしてきたのだから。
第14節
あの滅びた霊たちと同じく、私たちの敵もまたそうである。カルパンたちは生きものたちの友ではない。畑からの豊かな実りも、牛のための十分な牧草も与えず、その行いと教えによって災いをもたらす。そして最後には、その教えによって、自分たちが導く者たちを偽りの家へ引き渡すのだ。
第15節
しかしこれこそ、ザラスシュトラが、真理とともに語らい、務めにふさわしい友たちへ、かねて告げてきた報いである。アフラ・マズダーがまず先に、その歌の館へと入られる。そのとき、あなたがたのうちの善き思いによって、これらの賜物が与えられる。真理の務めのための祝福とともに。
第16節
あなたがたの中の最も偉大な一人は、すでにその祝福された知恵に達した。ヴィーシュタースパ王は、聖なる務めの統治のうちにそれを得た。善き思いの歌に励まされて労苦しながら。恵み深いアフラが真理に沿って思い定めた知恵、私たちに救いを教えるその知恵に、彼は到達したのである。
第17節
聖なる心が示されたのは、君主たちの間だけではない。フヴォーグヴァ家のフラシャオシュトラは、祝福された愛しい人、その娘を差し出した。統治の力を持つアフラ・マズダーが、深く愛されるべきその人を私たちに与えてくださるように。人々よ、善き良心のため、真理を得るために、彼女を心から迎えなさい。
第18節
フヴォーグヴァ家のジャーマースパよ、この敬虔な人々は、その聖なる知恵こそ富のまことの輝きであるとして、真理によって選び取っている。善き思いの治める王国を得ようとして。マズダーよ、彼らが喜びのうちにあなたの恵みから受けるものを、私にも与えてほしい。
第19節
この祈りは、すでに聞き届けられている。スピターマ家のマディヨーマーハよ、この確かな統治を、勇敢なヴィーシュタースパ王が与えた。良心によって賢く、まことの生を求める者が、それを私たちに授ける。彼は私たちの造り主アフラの法を宣べ、生の行いにとって何よりも善いことを告げ知らせた。
第20節
その至福の賜物を、恵み深い不死なる者たちはみな、心をひとつにして、私たちを助けるために与えようとしておられる。真理を、善き思いを通して私たちのうちに固く立て、敬虔の語る言葉を私たちに示してくださるように。そして、讃美をもってささげる私たちの礼拝を受けて、アフラ・マズダーの恵みを私たちのために求めてくださるように。
第21節
敬虔に生きる人は聖なる者であり、その言葉と行いには深い分別がある。アフラがその人に、良心とともにある祝福された真理と、善き思いによって固く立つ統治とを与えてくださるように。この同じ祝福を、私もその恵みに祈り求める。
第22節
アフラ・マズダーは、真理を思うゆえに最善の捧げものを私の祭りへ寄せる人を、知っておられる。私は感謝のうちに、なお恵みを祈りつつ、永遠なる者たちを礼拝しよう。かつて生き、いまも生きる者たちを、その聖なる名によって礼拝し、讃美とともにその御座へ近づいて行こう。
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ヤスナ53 婚礼の祝歌
第1節
最善の祈りは聞き届けられた。スピターマ家のザラスシュトラの祈りである。アフラ・マズダーが、真理から流れ出る最も願わしい恵みと、永遠に栄える生とを彼に与え、さらに、かつて彼を欺いた者たちをも、言葉と行いにおいて善き良心に従う者としてくださるように、との祈りである。
第2節
そしてヴィーシュタースパ王も、ザラスシュトラに連なるスピターマ家の者も、フラシャオシュトラも、ともに思いと言葉と行いにおいてマズダーの心にかなう捧げものをし、信仰を言い表して讃美をささげるように。私たちの行く道をまっすぐに整えながら。その道こそ、アフラが打ち立てられる救い手の良心である。
第3節
宴を司る者が語る。ザラスシュトラの娘たちのうち最も若い、ハエチャトアスパの家系なるスピターマ家のポウルチスターよ、人々はその人をあなたに与える。善き思いと真理とマズダーへのまことの奉仕を支える助け手として、あなたを守るかしらとして。だから、最も恵み深く敬虔な心をもって、よく語り合いなさい。そして正しい行いをもって行いなさい。
第4節
花嫁が答える。私はこの人を愛し、愛において負けまいと努めよう。父からこの人は私を得たのだから。この人と語らって得る知恵をわがものとし、働く主人にも、家に連なる縁者にも、善き思いの輝く恵みがあるようにと願う。清い者たちには清い恵みを。マズダーよ、アフラよ、善き良心のために、それを永遠に私にも与えてほしい。
第5節
祭司である宴の主が語る。嫁ぎゆく娘たちよ、婚礼の心得を、それをよく知る私があなたがたに語る。私の言葉を心に留めなさい。いま告げる良心の定めによって、善き思いの生をつかみ取りなさい。そして花嫁と花婿よ、真理において互いを慈しみなさい。そのときはじめて、家の暮らしはそれぞれに幸いなものとなる。
第6節
男たちよ、女たちよ、これらは確かなことである。私は偽りの魔から信じる者たちを守り、その歩みを善さと栄えへ進ませる。偽りと、偽りに縛られた者たちのもたらす害を、身体から祓い去ることを祈る。風の魔をかつぎ、その力を強める者には、その恥が栄光を損なう。そのようにして風の魔は、真理を害する悪しき者たちに取りつく。その道を行くなら、あなたがたは霊の命を殺すことになる。
第7節
しかし正しく生きるあなたがた女たちには、この偉大な務めの報いが与えられる。心を燃やす欲望が身体を離れ、悪しき霊の届く底へ沈もうとも、あなたがたは務めを助ける勇者を生み出し、誘惑に打ち勝つ。こうしてあなたがたの最後の言葉は、打ち負かした風の魔の名を呼ぶ、勝利の叫びとなる。
第8節
こうして罪ある者たちは挫かれ、焼き尽くされるがよい。怒りに叫ぶがよい。善き王たちとともに、私たちの勇者が、人を殺めるあの者を捕らえて引き渡し、家々に安らぎを、村々に安らぎをもたらすように。欺く者たちへ攻めかかり、最も強い縛めである死をもって縛るように。そして、それが速やかになされるように。
第9節
偽りを信じる者たちのゆえに、苦しめる者は、あなたの助け手たちを、助けを拒む者へと変えてしまう。離れ去った者はそれを望み、堕ちた者は、私たちの誉れを打ち砕こうとする意志を抱いて、それを欲する。彼らを生から断ち、その横暴を奪う正しい主は、どこにいるのか。マズダーよ、その力はあなたのものである。そしてあなたのものである統治によって、あなたは正しく生きる貧しい者に、最高の恵みを与えられる。
