今週のAI業界は、Anthropicによる一連の発表が目立ちました。高速・低コストな新モデル「Claude Haiku 4.5」の提供を開始したほか、業務タスクの実行能力を標準化する「Agent Skills」も公開し、AIエージェントの実用化に向けた基盤整備を一気に進めています。
この動きと並行して、マルチモーダル分野でも開発競争が加速。Googleは音声生成や編集機能を統合した動画モデル「Veo 3.1」をリリースし、Microsoftも初の自社製画像モデル「MAI-Image-1」を発表するなど、大手各社による基盤技術の強化が続いています。
この記事を読めば、今週押さえておくべき重要ニュースの要点を素早くおさらいできます。今週見逃せないAIニュースとそのポイントを、まとめてお届けしていきます。
Anthropic、新モデル「Haiku 4.5」とAIエージェント機能「Skills」を同時発表 🤖💼
新モデルとプラットフォーム機能で製品群を大幅に強化
低コスト・高速な新モデル「Claude Haiku 4.5」を発表
最新の小型モデル「Claude Haiku 4.5」を発表しました。中上位モデルであるSonnet 4と比較して、コストは約3分の1、速度は2倍以上を実現しています。API価格は入力100万トークンあたり1ドル、出力100万トークンあたり5ドルに設定され、Claude.aiのウェブサイトですべてのユーザーが利用できるほか、Amazon BedrockおよびGoogle CloudのVertex AIでも提供が開始されます。
Anthropic公式発表: Introducing Claude Haiku 4.5
AWS公式発表: Claude 4.5 Haiku by Anthropic now in Amazon Bedrock

業務タスクを自動化するAIエージェント機能「Skills」をリリース
特定の業務知識や手順(指示書、コードスニペット、資料など)を「スキル」としてAIに登録し、複雑なタスクの実行能力と再現性を高める新機能「Agent Skills」を公開しました。
これにより、企業は独自のワークフローをClaudeに組み込むことが可能になります。この機能はPro、Team、Enterpriseプランで提供されます。
Anthropic公式発表: Introducing Agent Skills
エンタープライズ連携を加速、Salesforce・Microsoftとの協業深化
主要なビジネスプラットフォームとの連携を強化し、企業内でのClaudeの活用を促進します。
Salesforceとの提携拡大、Agentforce 360の優先モデルに
Salesforceとの戦略的提携を拡大し、同社のAIエージェント構築基盤「Agentforce 360」において、Claudeを「優先モデル」として提供することを発表。
特に金融や医療など、厳格なデータ管理が求められる規制産業向けに、Salesforceの「トラスト境界」内で安全にデータを処理するソリューションを展開します。
Salesforce公式発表: Anthropic and Salesforce Expand Strategic Partnership to Deliver Trusted AI...
Anthropic公式発表: Anthropic and Salesforce expand partnership to bring Claude to regulated industries

Microsoft 365との連携コネクタを公開
新たにMicrosoft 365との連携コネクタを公開しました。これにより、TeamおよびEnterpriseプランのユーザーはClaudeの対話画面から直接、自社のSharePoint、OneDrive、Outlook、Teams内の情報を横断的に検索・分析できるようになります。
Anthropic公式発表: Claude and your productivity platforms
✅ポイント
① 低コスト・高速な新モデル「Haiku 4.5」を発表: 上位モデルに迫る性能を約1/3のコストで提供し、大規模導入のハードルを低減。
② AIエージェント機能「Skills」を導入: 企業独自の業務プロセスをAIに学習させ、タスクの自動化と実行精度を向上。
③ エンタープライズ連携を本格化: SalesforceのAgentforce 360で「優先モデル」に採用されたほか、Microsoft 365とのデータ連携も開始し、企業の中核業務への浸透を加速。
OpenAI、自社設計AIチップ10GW計画を発表 ウォルマート・Salesforceとの提携も拡大 🚀
AIインフラへの大規模投資と垂直統合
Broadcomと提携し、10GW規模の自社設計AIアクセラレータを展開
半導体大手Broadcomとの戦略的提携を発表し、OpenAIが自社で設計するAIアクセラレータ(AIチップ)を合計10ギガワット(GW)規模で展開する計画を明らかにしました。
2026年下期から導入を開始し、2029年末までに完了する予定です。この動きは、特定のサプライヤーへの依存を低減し、性能とコストを自社で最適化する垂直統合戦略への大きな一歩となります。
OpenAI公式発表: OpenAI and Broadcom announce strategic collaboration to deploy 10 gigawatts of OpenAI-designed AI accelerators

ChatGPTエコシステムの拡大
Walmartと提携、ChatGPT内で直接商品購入が可能に
米小売最大手Walmartと提携し、ChatGPTの会話内で同社の商品を検索・購入できる機能「Instant Checkout」の提供を開始します。
ユーザーはWalmartアカウントを連携させることで、チャットから離れることなく決済まで完結できます。
Walmart公式発表: Walmart Customers Can Soon Shop Directly Within ChatGPT With Instant Checkout

Salesforceとの提携拡大、ChatGPTにCRM・Slackを統合
Salesforceとの提携を拡大し、同社のAIエージェント構築基盤「Agentforce 360」や、ビジネスチャット「Slack」の機能をChatGPTに統合。
これにより、ユーザーはChatGPTの対話画面から直接、自社の顧客データ(CRM)を参照したり、Slack内の情報を要約・検索したりすることが可能になります。
Salesforce公式発表: Salesforce Expands Partnerships with OpenAI and Anthropic
OpenAIヘルプセンター: ChatGPT — Release Notes (October 13, 2025)

製品機能の強化とグローバル展開
Sora 2に「ストーリーボード」機能を追加、動画生成時間を延長: 動画生成AI「Sora 2」に、複数のシーンを組み合わせて動画を構成できる「ストーリーボード」機能を追加(Proユーザー向け)。また、無料ユーザーは最大15秒、Proユーザーは最大25秒までの動画生成に対応しました。
公式X: Post on Sora 2 updatesChatGPTのメモリ上限問題を解消: これまで報告されていた「メモリがいっぱいになる」問題を解消するため、保存されたメモリを自動で管理・優先順位付けする機能を導入しました(Plus/Proユーザー向け)。
公式X: Post on automatic memory management

API向けに低コストなWeb検索モデルを提供: 開発者向けに、Web検索に特化した新モデル「gpt-5-search-api」を公開。従来比で最大60%のコスト削減を実現し、特定のドメインのみを検索対象とする機能も追加されました。
公式X: Post on gpt-5-search-api低価格プラン「ChatGPT Go」を89カ国に拡大: より安価なサブスクリプションプラン「ChatGPT Go」の提供国を71カ国追加し、合計89カ国へと拡大しました。
公式X: Post by Nick Turley on ChatGPT Go expansion

ポリシー転換と社会的責任への対応
プラットフォームの利用規約に大きな変更を加える一方、社会的な要請に応えるための新たな枠組みも構築しています。
成人向けコンテンツを12月から許容へ
Sam Altman CEOは、年齢確認を完了した成人ユーザーに限り、ChatGPTで成人向けコンテンツの生成を2025年12月から許可する方針を表明しました。
Sam Altman氏のX投稿: Post previewing adult mode & personality controls

Soraでのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏の生成を一時停止
不適切な動画が生成されたことを受け、キング牧師の遺族と共同で声明を発表。Soraの「カメオ」機能における同氏の肖像生成を一時的に停止しました。
OpenAI公式X: Statement with King Estate; MLK likeness paused for Sora cameos

「Well-BeingとAI」に関する専門家評議会を設置
ユーザーのメンタルヘルスや幸福にAIが与える影響について助言を得るため、外部の専門家8名からなる「Expert Council on Well-Being and AI」を新設したことを発表しました。
OpenAI公式発表: Expert Council on Well-Being and AI
✅ポイント
① AIインフラの垂直統合: Broadcomと提携し、10GW規模の自社設計AIチップを2026年下期から導入開始。ハードウェアの自社開発に本格着手。
② エコシステムの急拡大: Walmartとの提携でコマース機能を、Salesforce/Slackとの連携でエンタープライズ機能を取り込み、プラットフォーム化を加速。
③ ポリシーの大きな転換: 年齢確認済みの成人ユーザーに対し、12月から「エロティカ」を含む成熟したコンテンツを許可する方針を発表。
④ 製品機能の継続的強化: Soraにストーリーボード機能を追加し、API向けに低コストな新検索モデルをリリースするなど、製品の改善を継続。







