OpenAIのOperatorやClaude Computer Use、ManusAIなどを皮切りに、有力なAIエージェントが次々と登場しています。
そんな中、フランス・パリに拠点を置くAIスタートアップ「H Company」から、新たなエージェント「Runner H」がベータ版として公開され海外を中心に注目を集めています。特徴は、特定タスクでGPT-4oを上回る性能を持つとされる、自社開発の"小型"モデルです。
本記事では、先行するManusAIと比較などを通して、Runner Hの実力を比較・検証しまとめていきます。
Runner Hの概要・できること
Runner Hは、AIスタートアップのH Companyが開発したAI Webエージェント。自然言語の指示だけで、Webサイト上の反復的な作業を自動化します。
Runner Hで主にできることは、以下の通りです。
1.Web操作の自動化
Webサイトの検索、フォームへの情報入力、特定条件に合うデータの収集など、ブラウザ上で行う一連の操作を自動化。
2.外部サービスとの連携
収集した情報をGoogleスプレッドシートに出力したり、Slackに通知したりすることが可能。Zapierと連携すれば、さらに多くのアプリケーションを操作できます。
3.ファイル内容の参照
ユーザーがアップロードしたドキュメントやコードの内容を読み込み、それを踏まえた上でタスクを実行させることも可能です。
また、特に自律的なWebリサーチを行う際には、H Companyがオープンソースで開発するWebエージェント「Surfer H」の技術が活用されていると考えられます。
HuggingFace などでモデルは公開されているので気になる方はこちらからチェックしてみてください。
Runner Hの性能
Runner Hの性能は、H Companyが自社開発する基盤モデル群によって支えられています。
Webエージェント「Surfer H」
H Companyの技術の中核を成すのが、先ほども紹介したWebエージェント「Surfer H」と見られています。これは、計画(Policy)、視覚(Localizer)、検証(Validator)の3つのモジュールで構成される、柔軟なエージェントフレームワークとなっていて、
Webサイトの操作能力を測る「WebVoyager」ベンチマークでは優れたコスト効率を示しています。

エージェントの「眼」となるVLM「Holo1」
Surfer Hの性能を支える「眼」が、同じくオープンソースの視覚言語モデル(VLM)「Holo1」ファミリーです。特に、UI上のどこをクリックすべきかを判断するUI Localization(要素特定)の能力に長けています。


エージェントの「脳」となるLLM「H-2B-it」
最後に、エージェントの「脳」として、思考やプログラミングを担う言語モデル「H-2B-it」の性能も紹介されています。
これがHolo1ファミリーとは別の純粋なLLMなのか、あるいはSurfer HのPolicyモデルとしてどう組み込まれているのか、現時点では詳細な情報は不明ですが、2Bパラメータという小型サイズながら、コード生成や関数呼び出しの性能で、Llama 3.2 などのモデルを上回る結果を示しています。

Runner Hの使い方
ここからは、実際にRunner Hを利用する方法を見ていきます。
現在、Runner Hは公式サイトからサインアップするだけで、無料で10回まで利用できます。
詳細な価格プランはまだ公開されておらず、ビジネス向けの問い合わせフォームが用意されているのみですが(2025年6月時点)、まずは気軽に試せるのが魅力です。

UIの基本操作
Runner Hの操作は、画面左のメニューから各機能にアクセスするシンプルな構成です。
Run(ホーム)
メインの操作画面。中央のチャット欄にプロンプト(指示)を入力して自動化を開始します。Discover
あらかじめ用意された自動化のテンプレート集。「Replay」を押せば、その自動化がどのように動作するかをクレジット消費なしで確認できます。

Files
タスクで使うファイルを事前にアップロードしたり、実行結果として生成されたファイルを保存したりする場所です。

Connections
Google DocsやNotion、Slackといった外部サービスとの連携を設定する機能。トグルをオンにすると各サービスとの連携設定に進みます。

人間の関与度を設定
Run(ホーム)画面では、AIの自動化プロセスに人間がどれだけ関与するかを3段階で設定できます。
Highly involved(高い関与)
Moderately involved(中程度の関与)
Fully automated(完全自動)

実践例:簡単なWebリサーチを試す
実際にプロンプトを入力して、タスクを依頼してみます。
今回は、簡単な企業リサーチを指示します。
プロンプト
日本の主要IT企業(rakuten、SoftBank、サイバーエージェント)の公式サイトから、最新のAI関連プレスリリースのタイトルとURLをそれぞれ1つずつリストアップしてください。
このプロンプトをHomeのチャット欄に入力し、実行ボタンを押します。

Runner Hは各企業のWebサイトを巡回し、条件に合う情報を自動で収集・整理します。

実行が完了すると、結果が出力されます。今回はPDF形式でまとめてくれました。

画面右上のボタンから、生成されたPDFの操作が可能です。
Download: PDFファイルを直接ローカルにダウンロードします。
Open in library: 生成されたPDFを「Files」タブに保存します。

このように、Runner Hはチャットベースの指示から、Webリサーチから結果のファイル出力、保存までを一貫して行う機能を備えています。







