2025年9月5日から7日、AnthropicとKERNEL共催のClaude特化型ハッカソン「Claude Hackathon 2025 in Tokyo」が開催されました。

テーマは「Build Anything with Claude」。
参加者はClaude Codeや各種APIを使い、3日間でプロダクト開発に挑みます。

本記事では、このイベントで生まれたプロダクトと会場の熱気をお伝えします!

審査員紹介

三宅 俊毅 (Toshiki Miyake)
Senior Director, Investment, DEEPCORE

DEEPCOREにて投資業務を担当し、KERNEL事業部長を務める。事業会社での管理会計、UBS証券での株式セルサイドアナリスト、PwCでのM&Aアドバイザリー業務を経て、EdTechスタートアップに参画。IPOを見据えた経営管理体制の構築やCVCでのスタートアップ投資に従事。帰任後は経営戦略室執行役員として既存事業のバリューアップやM&Aを推進し、JETRO EdTechアドバイザーとしても活動。2022年7月より現職。慶應義塾大学総合政策学部卒業。米国公認会計士。

内西 功一 / しげる (Uchinishi Koichi / 4geru)
LINE API Expert

「もっと多くの人にLINE APIをうまく、そして楽しく活用してほしい」という想いから、LINE API Expert(2018年〜)としてLINE Developer Communityでハンズオンの主催やハッカソンのサポートを行う。最近はSupabaseやMCPにも興味を持つ。

瀧川 永遠希 (Towaki Takikawa)
Outerport Co-Founder / CEO

Outerport (Genban, Inc.)のCEO・共同創業者。技術書類PDFやCAD図面などの非構造化データを視覚的に解析・構造化し、業務自動化プラットフォームを提供。Y Combinator採択企業。創業前はNVIDIAのResearch Scientistとして、3D生成AI基盤モデル等の開発を先導。その学術研究はCVPR・SIGGRAPH等で多数採択され、引用数は4000を超える。ウォータールー大学Computer Science学部卒、トロント大学Computer Science Ph.D. ABD。

Claude Hackathon 2025 in Tokyo とは

本イベントは、AnthropicとKERNELが共催するClaude特化型のハッカソンです。(AGIラボも運営協力として参加させていただきました)

業界トップレベルの学習機会、豪華な賞品、そして貴重なネットワーキングの場を提供し、次世代のAIイノベーションを日本から創出することを目的に開催されました。

ハッカソンのテーマ

今回のハッカソンのテーマは 「Build Anything with Claude」 です。

参加者は自由なテーマのもと、それぞれのアイデアを形にすべく開発に臨みました。

本ハッカソンでは、優れたプロダクトを開発したチームへ以下の賞が贈られます!

  • 最優秀賞: Claude APIクレジット $3,000

  • 優秀賞: Claude APIクレジット $2,000

  • 3rd Prize: Claude APIクレジット $1,000

さらに、受賞特典として後日オンラインでの「Office Hour」も開催。受賞者はAnthropicチームに直接質問できる貴重な機会を得ました。

協賛

本ハッカソンは、LINE Developer Community様(@linedc_jp) にご協賛いただきました。コミュニティから2名のLINE API Expertがメンターとして参加していただき、技術的なサポートを提供。

また、LINE APIを活用したチームの中から1チームに、副賞として豪華なLINEグッズが贈られます。

イベント当日の様子

9月5日のキックオフから、3日間の開発がスタート。オンライン・オフライン合わせて100名以上が参加しました。

初日は、開発未経験者やClaude Code初心者向けのオンラインワークショップから始まりました。想定30名に対し、なんと集まったのは80名以上….!!
イベントへの期待の高さが伺えました。

内容は環境構築の初歩から、AI駆動開発の実践的なテクニックまで。チャット欄では初心者からの質問が絶えず、参加者同士で助け合う場面も見られました。まさに、インタラクティブで熱気のある時間でした!

多くの参加者がAIと対話するように開発へ没頭する姿が印象的でした。そんな中、メンター陣は技術的な助言はもちろん、何より参加者のモチベーションを支える声掛けで、会場の活気を作っていました。

名古屋から駆けつけた学生チーム。二日目の帰りには「これから徹夜です!」とホテルへ向かう姿も。

そして最終日。提出締切が迫る中、各チームは最後の追い込みへ。

最終日のラストスパートを支えるエナジードリンクも。これで万全です..!!


成果発表:ファイナリスト10組による熱戦

発表順

3日間の開発期間を経て、いよいよ成果発表です。応募多数の中から選ばれたファイナリスト11チームが、プレゼンテーションに臨みます。

全11組のファイナリストが、3日間の開発成果を5分間のプレゼンテーションに凝縮して発表しました。本記事では、その中から抜粋してご紹介します!


子どもたちの「知りたい」を支える認知翻訳アプリ『わかるレンズ』

チーム「わかるレンズ」が着目したのは、難しい言葉が子どもたちの学習や安全の障壁となる社会課題。

開発した『わかるレンズ』は、文章や画像の内容を、利用者の認知レベルに合わせて平易な言葉に「認知翻訳」するアプリケーションです。Claudeがそれぞれの文脈を理解し、安全性を考慮しながら子ども向けのコンテンツを生成します。

子どもたちがより多くの情報に安全にアクセスし、知的好奇心を満たす手助けとなるプロダクトです。社会的な課題解決への着眼点と、それを支える技術アプローチが高く評価されました。


理想の姿をよりリアルに、TEAM MIT『美容整形シミュレーター』

TEAM MITが開発したのは、美容整形後の姿をリアルかつ定量的に確認できる『美容整形シミュレーター』。

nano-bananaによる高精細な画像生成に加え、Claudeと強化学習でユーザーの要望(プロンプト)を自己進化させるアプローチを採用。三次元メッシュ情報で術後イメージを数値と共に提示します。WebとLINEの両方から手軽に利用でき、ユーザーの不安解消を目指します。

複数の技術を組み合わせた独創的なアイデアと、短期間で形にした技術力に会場からも驚きの声が上がっていました。


Anthropic Gregさんによる基調講演ハイライト

最終日の成果発表前、全チームのプロダクト提出が完了したタイミングで、AnthropicのGreg氏がZoomコールにライブで登場。日本の参加者に向けたメッセージが送られました。

Gregさんはまず、参加者の成果を「信じられないほど素晴らしい」と称賛。わずか数日でアプリを構築できる現代は「特別な時代」だと語りました。

また、今回が日本初の本格的なハッカソンであったことにも言及。広告なしで100名の参加者と80チームが集まったことに「本当に興奮している」と、驚きと感謝を伝えました。


表彰式

すべての発表が終わり、いよいよ表彰式。3日間の激闘を制したのは、どのチームでしょうか。


3位:AI-MY『Lo-Fi Camera』

3位は、被写体をレトロゲーム風ドット絵に変換し、感熱紙に印刷する『Lo-Fi Camera』。あえて「ローファイ」な体験に価値を見出すコンセプトと、ハードウェアまで含めた完成度の高さが評価のポイントです。

プレゼンテーションでは、独自のClaude活用法も紹介されました。

チームが実践したのは、プランニングと開発を往復しながらプロダクトを磨き込む手法。リポジトリ内に思考をまとめる「Plan」領域を作り、ClaudeにコードとPlanを同時に読み込ませて相互参照させることで、具体的な実装と抽象的なコンセプトを行き来し、プロダクトの体験価値を向上させていきました。

さらに、チームは「このプロダクトは極めて人間的 = anthropicなのです」と語ります。

ハイレゾな技術進化によって人の感性や想像力が殺される中、 人にとって想像力の源泉を合わせることのできる最低限の画素のドット絵。 想像力と交わす対話に、ハイレゾよりもよっぽど鮮明に感じるもの。想像力とは極めて人間的な能力ではないでしょうか。

技術的な完成度だけでなく、AI時代における人間の感性とは何かを問い直す、その哲学的なアプローチが印象に残りました。。


優秀賞:Fuyuto Miyake『AI 救急外来優先度評価』

優秀賞は、救急外来の「重症患者の見逃しリスク」に挑んだ『AI 救急外来優先度評価』。ウェアラブルデバイスの生体データ、LLMの問診、複数AIエージェントの統合判断で高精度なリアルタイムトリアージを実現。医療現場への理解と、複合的な技術アプローチが審査員から評価されました。


最優秀賞:Purpaime『Crawl Agent』

そして最優秀賞は、Purpaimeの『Crawl Agent』です!

URLと欲しい情報を自然言語で指定するだけで、専用のWebクローラーをClaude Codeが自動生成・実行。

「誰でも簡単にWeb情報を自動収集できる」という強力な価値を提供します。その実用性、完成度の高さ、そして実装力が評価されました。

▲ オンライン参加で最優秀賞を受賞したチーム「Purpaime」。後日、記念撮影を行いました


LINE賞:チーム篠田『幹助』

そして、LINE賞に輝いたのは、チーム篠田の『幹助』です!
面倒な飲み会の幹事業務を自動化する、LINEグループ連携アシスタント。

グループチャットにボットを招待し、メンションするだけで日程調整の投票フォームを自動生成。

候補日が決まれば、エリアや料理ジャンルをヒアリングし、Google Maps APIやClaudeと連携して最適なお店を提案してくれます。多くの人が経験する「幹事の絶望」を解決する実用性と、LINE APIを巧みに活用した開発が高く評価されました。

▲ LINE賞の受賞チームには、豪華なLINEグッズが贈られました。


Claude賞

主催のAnthropicからも特別賞が贈られました。

Anthropic賞:チームひかさと ReNeco『素材探索AIエージェント』

Anthropic賞は、チームひかさと ReNecoの『素材探索AIエージェント』。サステナブルな代替素材を、複数のAIエージェントが自律的に調査・提案。複雑なR&DプロセスをAIで効率化する野心的な試みと、高度なエージェント設計が評価されました。

Honorable Mentions(入賞には至らなかったものの、優れていた特別賞)

また、Anthropic選出のHonorable Mentionsとして『Lo-Fi Camera』『Kodomo Code』も紹介。どちらもAIとの新たな関わり方を提案する、創造性豊かなプロダクトです。

『Kodomo Code』

AIと自然言語で子どもが個別の学習アプリを作成できるプラットフォーム。 算数・国語・創作などに対応。


懇親会

表彰式の後は、参加者、審査員、メンター、運営スタッフ全員での懇親会です。

ピザとドリンクを片手に、会場は和やかな雰囲気に。
プロダクトについて熱く語り合ったり、ハッカソン中の苦労話を笑い合ったり。あちこちで交流の輪が生まれていました。

「楽しかった」「良いチームメンバーに出会えた」といった声も聞かれ、参加者にとって価値ある体験となったことが伝わってきます。


最後に

これにて、3日間にわたるハッカソンは閉幕です。
今回のハッカソンでは、独創的で優れたプロダクトが数多く誕生しました。参加された皆様、本当にお疲れさまでした。

このイベントが一過性のものに終わらず、ここで生まれたプロダクトが今後さらに発展していくことを心から願っています。

最後になりますが、共催のAnthropic、KERNEL、協賛いただいたLINE Developer Community様、そして審査員・メンターの皆様に深く感謝いたします。そして何より、主役である参加者の皆様、本当にありがとうございました!

KERNELとAnthropicは、今後も日本の開発者・起業家コミュニティを盛り上げていきます。今後のイベントにも、ぜひご期待ください!


主催者情報

KERNEL(株式会社ディープコア)

「KERNEL」は、世界を変える志を持つ挑戦者のための会員制コミュニティです。

グローバルに挑戦する起業家、世の中を変える研究者・技術者、スタートアップのキャリアを模索する学生・社会人が、スタートアップ×テックをキーワードに集まる場所です。

コミュニティ参画希望の方は是非以下のリンクから応募してみてください!

https://deepcore.jp/kernel/