今週もAI業界では先週ほど大きな動きは見られなかったものの、特に収益化戦略の明確化と利用者拡大に向けた取り組みが加速しています

ChatGPT研究所が注目した、今週特に見逃せない主要なAIニュースとそのポイントをまとめてお届けします。それでは、早速見ていきます!

今週のハイライト

今週は大手AI企業の積極的な事業拡大と収益化戦略が鮮明になった一週間でした。OpenAIが2029年に1250億ドルの売上を予測し、ChatGPTと基盤モデルに加え、AIエージェントや無料ユーザーの収益化が成長を牽引するとの見通しを示しました。同社はパブリッシャーとの連携も強化し、ワシントン・ポスト紙との検索コンテンツ提携を発表したほか、人気の画像生成機能をAPI経由で提供開始し多くの企業での導入が進んでいます。

一方、検索市場ではGoogleのAI Overviewが月間15億ユーザーを達成し「AI Mode」も展開中。Perplexityは来月独自ブラウザをリリース予定で、ユーザーの全オンライン行動を追跡し「超パーソナライズド広告」を販売する計画を明かしています。

資金調達面ではイーロン・マスクのxAIが約200億ドル調達を交渉中であり、同社はコスト効率の高い「Grok 3 Mini」を含む新モデル群をAPIで提供開始。BaiduもErnie AIモデルの大幅値下げを実施し、中国市場での競争が激化しています。

技術開発と人材面では、AnthropicがAIモデルの「福祉」研究を開始し、同社創設者はAIの「解釈可能性」の緊急性を提唱。一方でOpenAIのGPT-4.5開発に携わった重要研究者が米国グリーンカード申請を拒否され、米国のAI人材政策に課題があることも浮き彫りになりました。

このほか、Character.AIの画期的なビデオ生成技術「AvatarFX」発表や、SpotifyのAIプレイリスト機能の40以上の新市場への展開など、AI技術の実用化も着実に進行しています。

1. Microsoftが生成AIで広告を作成し、誰も気づかなかったとブログで報告

Microsoftが生成AIを使用してSurface ProとSurface Laptop向けの1分間の広告を制作していたことを明らかにしました。この広告は約3か月前に公開されていましたが、誰もAI要素に気づかなかった点が注目されています。広告はすべてがAIで生成されたものではなく、実写映像とAI生成コンテンツを組み合わせることで、多くの視聴者が違和感なく受け入れた結果となりました。

https://youtu.be/9SWEA2y2DjQ?si=39zfLwCOOnWwKTMK

ポイント:

  • AIと実写の融合: 詳細な動きのあるシーンは実写で撮影し、短いカットや動きの少ないシーンをAIで生成して組み合わせ。

  • 制作工程の効率化: クリエイティブディレクターの見積もりによると、通常の制作に比べて時間とコストを約90%削減。

  • AIによる総合的な制作: 脚本や絵コンテから始まり、チャットボットとプロンプトを駆使してイメージを生成、HailuoやKlingなどのビデオ生成ツールも活用。

  • 見分けにくい品質: 約4万回の視聴がありながら、コメント欄ではAI生成について誰も指摘せず、適切な用法で高品質な結果を実現。


2. GoogleのAI Overview、月間15億ユーザー達成と将来展望

GoogleのCEO Sundar Pichaiが2025年第1四半期の決算発表で、検索機能に組み込まれたAI Overviewが月間15億ユーザーを突破したことを報告しました。米国での導入から約1年が経過し、ユーザーがより多くのクエリに対してAI Overviewの有用性を認識するにつれて、その利用は増加傾向にあるとのことです。この強い反応を受け、3月には「AI Mode」と呼ばれる実験的機能も「Labs」で公開されました。

Google

ポイント:

  • 急速な利用拡大: AI Overviewは現在15億人以上が毎月利用、新しい国々や多くのクエリへの対応を積極的に拡大中。

  • AI Modeの導入: 従来のAI Overviewをさらに発展させた実験的機能「AI Mode」を公開、より高度な推論能力とマルチモーダル機能を提供。

  • 複雑なクエリへの対応: AI Modeでのクエリは従来の検索クエリの2倍の長さで、複雑で微妙なニュアンスを含む質問に対応可能。

  • マルチモーダル検索の成長: Circle to Search機能は現在2億5000万台以上のデバイスで利用可能となり、Lensによる視覚的検索は10月以降で月50億回増加。


3. OpenAIのGPT-4.5開発に携わった研究者のグリーンカード申請が拒否される

OpenAIの研究者Kai Chen氏が米国のグリーンカード(永住権)申請を拒否され、米国を離れなければならない状況に直面していることが明らかになりました。同社の主任研究科学者Noam Brown氏によると、カナダ国籍のChen氏は12年間米国に住み貢献してきましたが、金曜日に拒否の決定を知らされました。同氏はOpenAIの主力モデルGPT-4.5の開発に「非常に重要」な役割を果たしていたと別の従業員が証言しています。

https://twitter.com/polynoamial/status/1915765141846515883

ポイント:

  • 技術的影響: Chen氏はOpenAIの主力モデルGPT-4.5の開発に重要な貢献をしていたと社内の別の従業員が証言。

  • 継続的な雇用: グリーンカード拒否後も仕事は継続し、バンクーバーからリモートで働く予定。

  • 移民政策の影響: トランプ政権下で厳格化する移民政策の一環として、1,700人以上の留学生が最近ビザ状態に異議を唱えられる状況。

  • AI産業への影響: 米国AI産業は外国人材に大きく依存しており、有望なAIスタートアップの66%に移民創業者、AI関連分野の大学院生の70%が留学生。


4. イーロン・マスクのxAI Holdings、投資家から約200億ドルの資金調達を交渉中

イーロン・マスクのAI企業 xAI Holdingsが、約200億ドルの資金調達に向けて投資家と交渉を進めていると、ブルームバーグニュースが報じました。この取引によって同社の評価額は1200億ドル以上になる可能性があります。xAIは先月、Xを330億ドルで買収し、マスクのAI企業の価値をX共同投資家と共有することを可能にしています。

xAIが開発するGrok

ポイント:

  • 巨額資金調達: 調達額は200億ドル以上になる可能性、最終的な金額はまだ決定されていない状況。

  • 高い企業評価: 取引が実現すれば、企業価値は1200億ドル以上に達する見込み。

  • X買収の戦略的意義: 先月のX買収により、マスクのAI企業の価値を共同投資家と共有する体制を構築。

  • AI業界での競争力強化: 大規模な資金調達により、OpenAIやGoogleなど他の大手AI企業との競争において優位性を確保。

5. DeepWiki、GitHubレポジトリの無料百科事典をリリース

Cognition Labsが「DeepWiki」を発表しました。これはGitHubレポジトリの最新ドキュメントを提供し、対話的に情報を得られるサービスです。すでに3万以上のレポジトリがインデックス化され、40億行以上のコードが処理されています。この取り組みは計算処理だけで30万ドル以上のコストがかかりましたが、オープンソースのために完全無料で提供されています。

https://twitter.com/silasalberti/status/1915821553465626791

ポイント:

  • 膨大なコードベースの処理: 3万以上のレポジトリをインデックス化し、1000億以上のトークンを処理。

  • 高度な階層構造の理解: コードベースの全体構造を理解するため、高レベルシステムの階層に分解しシステムごとにWikiページを生成。

  • 無料アクセス: 1レポジトリあたり平均12ドルの処理コストがかかるが、サインアップ不要で完全無料提供。

  • 直感的なURL: github.comをdeepwiki.comに置き換えるだけで任意のレポジトリのDeepWikiにアクセス可能。