2026年5月、OpenAIはCodexの ChatGPTモバイルアプリ対応 をプレビュー公開しました。
Codex自体は、これまでもChatGPTモバイルアプリの中で使えていました。今回のアップデートで新しくなったのは、自分のMacやPCの上で動いているCodexに、ChatGPTモバイルアプリから接続できるようになった 部分です。
Codexはこれまで通りお手元のマシンで動き続け、その作業の様子(出力や差分、判断が必要なポイント)がスマホ側に流れてくるようになります。
自分のMacや常時稼働のMac mini、devbox、SSHホスト上で進行中のCodexスレッドに、外出先のスマホからそのまま入れるように
自宅や事務所のPCに任せておいた作業の途中経過を、外出先からスマホで確認したり、「これで進めて」と一言だけ返したりできるようになった、ということ

要点
ChatGPTモバイルアプリから、Codexの 新規作業の開始 / 出力レビュー / 実行のステアリング / 次ステップの承認 が可能に
Codex本体はこれまで通り、ノートPC / Mac mini / devbox / SSHホストなど 手元のマシン側で動き続ける
リポジトリ、認証情報、権限、ローカル設定はホスト側に残り、スマホには スクリーンショット / ターミナル出力 / 差分 / テスト結果 / 承認要求 がリアルタイムに返る
信頼済みマシンを公開インターネットに直接さらさず、OpenAIの secure relay layer を経由してChatGPT認証端末からのみ到達
提供範囲は iOS / Android のプレビュー で、Free / Goを含む全プラン・対応地域に段階展開。macOS版Codexアプリ が接続先の対象で、Windows版Codexアプリへの接続は近日公開
Codexモバイル対応とは何か
Codexはもともと、ChatGPT web、Codex CLI、Codex IDE拡張、macOS / Windows向けのCodexデスクトップアプリ、そしてChatGPTモバイルアプリといった複数の入口から使えていました。
今回新しくなったのは、その中の 「いま手元のマシンで動いているCodex」の状態そのもの に、ChatGPTモバイルアプリから接続できるようになった点です。

公式ブログでは、これを単発のリモート実行や単タスクの遠隔発火ではなく、
進行中のすべてのスレッド
承認待ち
プラグイン
プロジェクトコンテキスト
を横断して扱える、フル機能のモバイル体験だと説明しています。
これは単に、特定のタスクを遠隔操作したり、新しいタスクをコンピュータに実行させたりするだけのものではありません。スマートフォンからすべてのスレッドを横断して作業でき、出力内容の確認、コマンドの承認、モデルの切り替え、あるいは新しいプロジェクトの開始まで、あらゆる操作が可能になります。

提供形態と対応プラン
Codex モバイル対応(プレビュー)
状態: プレビュー版として順次ロールアウト中
プラットフォーム: iOS / Android のChatGPTモバイルアプリ
対応プラン: Free / Go を含む全プラン(対応地域のユーザー向け)
接続先: macOS版のCodexアプリ
Windows版Codexアプリへの接続: 近日公開(coming soon)
※ 試すには、ChatGPTモバイルアプリとmacOS版Codexアプリの両方を最新版に更新し、同じChatGPTアカウントでサインインしてください。
Codex 本体の対応プラン
OpenAI Help Centerでは、Codex本体(Codex app / CLI / IDE extension / Web)について次のように整理されています。
Plus / Pro / Business / Enterprise / Edu に標準で含まれる
期間限定で Free / Go プランにもCodexが含まれる。同期間中、他プランの利用上限は 2倍 に引き上げられる
利用可能なインターフェース: Codex app / Codex CLI / Codex IDE extension / Codex web
関連機能の対応プラン
今回のリリースで同時に整理された機能の提供範囲も合わせて掲載します。
Remote SSH(GA): 全プラン
Hooks(GA): 全プラン
Programmatic access tokens: Enterprise / Business プラン
HIPAA準拠の利用(HIPAA-compliant use): 対象となる(eligibleな)ChatGPT Enterprise ワークスペースで、ローカル環境(CLI / IDE / Codex app)でCodexを使う場合 に限定
セットアップ
まず、スマホからCodexへ接続する手順です。
1.macOS版Codexアプリを最新版に更新 する
2.iPhone / Android の ChatGPTモバイルアプリを最新版に更新 する

3.両方を 同じChatGPTアカウント でサインインする。ワークスペース利用者は、同じワークスペースを選んでいるかも確認する
4.Mac側のCodexアプリを起動する
5.Codexアプリ側で、他のデバイスからの接続を許可する設定(Allow other devices to connect に相当)が有効になっていることを確認する

次に画面左下のスマホアイコンからQRコードを表示し、スマートフォンのカメラでスキャンします。スマートフォンでChatGPTの画面が開くので、そのまま設定を完了させてください。
その際、ChatGPTアカウントへの再ログインなどが必要になる場合があります。研究所所有のアカウントではiOS版はすぐに利用できましたが、Android版は未対応でした。

6.ホストは awake(起動・スリープ解除) に保つ。スリープ、ネットワーク切断、Codexアプリ終了は接続断の典型原因です
Codexデスクトップアプリ自体はmacOSとWindowsの両方で提供されていますが、ChatGPTモバイルアプリからWindows版Codexアプリへ接続する機能は「近日公開(coming soon)」と公式ブログに明記されています。そのため、現段階ではホストとしてmacOS側を選択する必要があります。
接続と認証:どこで何が動くのか
ChatGPTモバイルアプリとホスト側Codexの役割分担は次の通りです。
スマホ側(監督面): プロンプト、承認、フォローアップメッセージ、モデル切り替え、スレッド移動を送る
ホスト側(実行環境): リポジトリ、ローカルドキュメント、シェルコマンド、プラグイン、MCPサーバー、スキル、ブラウザアクセス、Computer Use系の機能。サインイン済みのウェブサイトやデスクトップアプリも、ホストがアクセスできる範囲だけ使える
スマホは実行環境にはなりません。ファイル・認証情報・権限・ローカル設定は、すべてホスト側に残ったまま です。
スマホ側には、スクリーンショット、ターミナル出力、差分、テスト結果、承認要求がリアルタイムに同期されます。
接続経路には、OpenAIが説明している「安全なリレー層(secure relay layer)」が使われます。信頼済みマシンをパブリックなインターネットに直接公開せず、ChatGPTにサインイン済みの認証端末からのみ届く構造です。アクティブセッションの状態とコンテキストも、サインイン済み端末間で同期されます。
ワークスペース運用の場合、別のCodexクライアントからホスト側アプリ環境を操作する際には、Remote Controlのアクセス権限やワークスペース側のRBAC設定が関係する場合があります。
iPhone側のChatGPTから、Mac上のCodexスレッドに対してメッセージが届く様子は、実機でも確認できました。

スレッドに添付メニューが表示され、必要なファイル参照や追加情報の手渡しも、スマホ側のUIから扱えます。
基本的な使い方
実際の流れは次の通りです。
1.Mac側: Codexアプリを起動する
2.スマホ側: ChatGPTモバイルアプリを開き、Codex画面に入る
3.ホストが見えていることを確認し、進行中のスレッド か、新規スレッド を選ぶ
4.ホスト側で動いているCodexの 出力・差分・ターミナル出力・テスト結果 を確認する

5.必要に応じて、コマンドの approve / deny、または「この方針で続けて」「ここはやり直して」といった follow-up message を返す

6.次に承認や判断が必要になったタイミングで通知が来ます。

使用例
OpenAIスタッフの事例など3つを取り上げます。
使用例1:常時稼働のCodexホストを1台用意する
自宅や事務所に置いたMac miniやノートPCを、スリープしない設定でCodexのホストにしておきます。重い作業(リファクタ、調査、ドキュメント整理など)はこのホストに渡し、自分はスマホだけ持って外に出ます。
外出先で承認や判断が必要になったタイミングで通知が来るので、その都度スマホで差分を見て返します。戻ったときには、要所だけ自分が触ったタスクが進んだ状態で残っています。
Mac miniは一例で、普段のノートPCをスリープせず置いておくだけでも同じ構成が組めます。

使用例2:移動中に承認待ちと差分を捌く
家を出る前にCodexにリファクタを依頼しておき、移動中は「実装案が2つある」「テストの一部が落ちている」といった判断が必要なポイントだけスマホに返ってくるようにします。
スマホ側で差分とテスト結果を見て、どちらの方針で続けるかを返すと、Codexはホスト側でそのまま作業を続けます。机に戻った時点で、選んだ方針で進んだ状態が手元にあります。

使用例3:SSHホストやmanaged devboxの長時間タスクを監督する
社内のSSHホストやmanaged devboxを使うチームでは、デスクトップ版CodexのRemote SSH(今回GA)でリモートマシンに繋ぎ、リモート側でCodexを動かせます。
一度ここに繋いでおけば、ChatGPTモバイルアプリからも同じセッションを扱えます。長時間のビルド、データ整備、移行スクリプトなどを社内環境で走らせ、外出先からは差分と承認だけ返せます。
ホスト側のサンドボックス、セキュリティ制御、操作の承認ルールは、モバイル接続時にも引き続き効きます。

トラブルシュート:スマホからホストが見えないとき
つながらないときは、次の順番で確認します。
ホスト側のCodexアプリが 起動中 か(落ちていないか)
ホスト側で 他デバイスからの接続を許可する設定 が有効か
スマホ側ChatGPTアプリとホスト側Codexが 同じChatGPTアカウント / ワークスペース か
ホストが sleep / ネットワーク切断 / Codexアプリ終了 していないか
ワークスペース運用なら、管理者側で Remote Controlのアクセス が許可されているか
それでも反映されない場合は、ChatGPTモバイル側のCodex画面でアカウント/ワークスペースを再確認し、ホスト側で接続セットアップをやり直す
ホスト側のCodexアプリの状態を直接確認する場合は、公式ドキュメントで案内されている次の場所を使います。
アプリに同梱されているCodexのバージョン確認
/Applications/Codex.app/Contents/Resources/codex --versionアプリのログ
~/Library/Logs/com.openai.codex/YYYY/MM/DDセッショントランスクリプト
$CODEX_HOME/sessionsスレッドが止まったように見えるときは、まず承認待ちが出ていないかを確認し、ターミナル側で pwd や git status のような短いコマンドを動かしてホストの現在地を確認します。
エンタープライズ向け同時アップデート
今回のリリースには、企業利用向けの要素も含まれています。
Remote SSH が一般提供(GA): デスクトップ版CodexがSSH設定からホストを自動検出し、リモートマシン上でもローカルと同じようにプロジェクトとスレッドを扱える
Programmatic access tokens: ChatGPTワークスペース設定から発行できるスコープ付き認証情報。CIパイプライン、リリースワークフロー、社内自動化向け。Enterprise / Businessプラン で利用可能
Hooks が一般提供(GA): プロンプト内のシークレット検出、バリデータ実行、ログ取得、メモリ生成、リポジトリ/ディレクトリ単位での挙動カスタマイズなどに使える。全プラン対象
HIPAA-compliant use のサポート: eligibleなChatGPT Enterpriseワークスペース において、ローカル環境(CLI / IDE / Codexアプリ)でCodexを使う場合 にサポート
まとめ
今回のCodexモバイル対応で、重い作業はホスト側に任せたまま、人間は移動中や会議の合間に判断だけを返せるようになりました。
ChatGPTモバイルから手元のエージェントを動かす流れは、OpenClawやClaude Codeのdispatchとして先に実装されていました。今回のアップデートでCodex側にも同様の機能が入り、加えてSSHで別マシンのCodexに繋ぐ仕組みも、Codexアプリ本体に標準搭載されています。
Claude Code側では、6月15日から有料Claudeプランで、プログラマティック利用向けの月次クレジット(Claude Agent SDK、claude -p、Claude Code GitHub Actions、Agent SDK製サードパーティアプリ向け)が提供されます。RedditやXでは、Claude CodeとCodexを比較・併用する投稿も増えています。
エージェントをどこで動かし、どこから監督するかは、ツールを越えて共通の論点になっています。
お知らせ:AGIラボ 5月の講座
🗓 5月は、3つの新しい講座を開講します
今回紹介したCodex Appを扱う初心者講座を含め、AIエージェントを"日常の武器"にするための実践講座を5月に3本開講します。
1. Codex App 初心者向け講座
講師:司東海秀(AGIラボ運営)
日時:2026年5月31日(日)19:00–21:00
内容:Codex Appの基本操作と、最初につまずきやすいポイントを初心者向けに扱う2時間。コードを書く人だけでなく、調査・資料作成・日々の作業をAIに手伝ってもらいたい方も対象
2. AIエージェント Git 活用講座
講師:石川陽太(AGIラボ運営)
日時:2026年5月16日(土)10:00–12:30
内容:AIエージェント時代のGitワークフロー、ブランチ戦略、コードレビューの進め方を、手を動かしながら学ぶ2時間
3. AIエージェント SKILLs 活用講座
講師:Sato Ryo(AGIラボ運営)
日時:2026年5月30日(土)10:00–12:30
内容:自分の仕事を「スキル」化し、AIエージェントに繰り返し実行させるための設計と運用
AGIラボメンバーは追加料金なしで参加可能。後日、録画アーカイブも配信します。
🔗 AGIラボ 5月の講座 3本立て|Git・Agent SKILLs・Codex App でAIエージェントを使いこなす

